類似事件と量刑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 08:12 UTC 版)
「藤沢市女子高生殺害事件」の記事における「類似事件と量刑」の解説
しかし、本事件発生から約8か月後(1967年8月27日)には、本事件の現場から約5 km離れた藤沢市亀井野で、再び帰宅途中の女子高生(16歳)が労務者の男(前科6犯)に襲われて死亡する事件が発生した。同事件も、動機および犯行態様は加害者が夜道で被害者に声をかけたところ、冷淡な反応をされたことに逆上して首を絞め、失神させた上で強姦し、再び首を絞めて死なせるというものだった。また、現場が田畑や山林を開発した新興住宅地で、防犯灯が少なかった(夜は真っ暗になる)場所である点も本事件と共通していた。 同事件の加害者は強姦・殺人・窃盗の罪に問われ、1968年3月28日に検察官(担当検事:宮﨑徹郎)から死刑を求刑された。しかし、横浜地裁(斎藤欽治裁判長)は同年4月25日の判決公判で、「被告人に被害者への殺意は認められない」として、殺人罪ではなく強姦致死罪を適用し、被告人を無期懲役とする判決を言い渡した。また、1971年8月14日に群馬県で発生した女子高生殺害事件でも、前橋地裁桐生支部は被告人に無期懲役判決を言い渡しており、最終的に死刑が確定した本事件でも第一審判決では死刑が回避される結果となった。 なお、1983年(昭和58年)7月には最高裁が連続射殺事件の第一次上告審判決で、死刑適用の可否を判断する基準として「罪質、動機、犯行の態様(殺害の手段方法の執拗さ・残虐さおよび、計画性など)、結果の重大性(特に殺害された被害者の数)などに照らし、罪責が誠に重大で、罪刑の均衡・一般予防の見地からも、極刑がやむを得ないと認められる場合に許される」と判示した(いわゆる「永山基準」)。この判決以降、死刑選択にあたっては殺害された被害者の数が最も重要な要素とされており、殺害された被害者が1人で、被告人に殺人の前科がなく、犯行の計画性も高くない殺人事件の場合、死刑が選択された事例はほとんどない。 詳細は「永山基準#殺害された被害者の数」を参照
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