音楽と様式
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「フェリクス・ドレーゼケ」の記事における「音楽と様式」の解説
ドレーゼケの作曲活動は複数の分野に均等に分かれており、交響曲を始め、協奏曲、オペラ、室内楽曲、ピアノ独奏曲など、あらゆる形式による作品を残した。彼の初期作品である《ピアノソナタ嬰ハ短調「幻想曲風ソナタ」》(1862年 - 1867年)は多くの関心を呼び、フランツ・リストに「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン以後で最も重要なピアノソナタ」と称賛を受けた。歌劇『ヘルラート』(1879年、当初の作品名は『ベルンのディートリヒ』)、『グートルーン』(1884年、同名の中世叙事詩による)においても成功を収めた。しかしその後、ドレーゼケの作品は忘滅に帰し、後世の人々から理解されないままにあった。 ドレーゼケは、音楽の全方面への発展に力を注いだ。彼の室内楽曲では新しい楽器の使用が見られる。その一例として、アルフレート・シュテルツナー(英語版、ドイツ語版)によって開発されたヴィオロッタ(英語版、ドイツ語版)(ヴィオラとチェロの中間楽器)があり、ドレーゼケはこの楽器を自作の「弦楽五重奏曲 イ長調」で使用している。その他の楽器では、ヘルマン・リッターによって開発され、ワーグナーがバイロイト祝祭管弦楽団のために改良したヴィオラの原型、ヴィオラ・アルタがある。 優れた対位法の作曲家であったドレーゼケは合唱曲に没頭し、「レクイエムロ短調」(1877年 - 1880年)によって大成功を収めたが、この分野での彼の最高傑作は、序奏と3つのオラトリオから成る《神秘劇「キリスト」》である。この作品は1894年から1899年にかけて作曲され、楽曲の構想は1860年代に遡る。19世紀後半に作曲され、不当に無視された交響曲のうち「交響曲第3番 ハ長調」作品40(「悲劇的交響曲」、1886年)は重要である。「セレナーデ ヘ長調」(1888年)や「ハインリヒ・フォン・クライストのペンテシレイアによる交響的前奏曲」(1888年)といった管弦楽曲のほか、室内楽作品も同様に上質である。
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