韓国の長老教会
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韓国のキリスト教会における二大教派は長老教(プレズビテリアン)と監理教(メソジスト)であった。早々と自由主義神学を取り入れた監理教に対し、長老教に保守的な傾向があったと言われる。初期の長老教会の宣教師たちは、保守的な聖書無謬と聖書無誤を信じていた。自由主義神学の挑戦に対して、保守的な改革派信仰を確立させたのは1926年にプリンストン神学校でジョン・グレッサム・メイチェンに学んだ朴亨龍である。 日本の統治時代は韓国のキリスト教会にとって苦難の時だった。韓国の長老教は神社参拝を拒否したため、日本政府は日本の長老派である日本基督教会大会議長富田満を派遣して説得にあたらせた。日本の迫害は苛烈を極め、長老派教会は多くの殉教者を出した。朱基徹は殉教者の中で特に知られている。 神社参拝拒否事件で投獄され、日本の敗戦により処刑を免れた出獄聖徒の流れは、1946年に高麗神学校を建て高神派と呼ばれる。1953年に長老教は保守改革派神学の大韓イエス教長老会と、自由主義神学系の韓国基督教長老会に分裂した。古プリンストン神学を韓国に紹介した朴亨龍以来、韓国の教会では聖書無謬説を採る保守神学が主流であった。イエス教長老会は1959年に合同派(福音派)と統合派(エキュメニカル派)に分裂した。 韓国のあらゆるキリスト教会は毎日、午前4時30分または午前5時から早天祈祷会を行う教会として知られる。熱心な徹夜祈祷、断食祈祷がなされ、韓国中に祈祷専門の祈祷院がある。韓国の長老教会は、ペンテコステ派(聖霊派)の影響を受けたこともあって、積極的な伝道を繰り広げ国内最大級の教会に発展した。韓国において長老教会は主流的存在とも言える最大規模の教団群を形成している。韓国の長老教会の中でも、異言の祈りを積極的に勧める教会もあれば、異言を否定して知的理解を重視し、聖書研究に熱心な教会も存在する。最大教派の大韓イエス教長老会 (合同)と大韓イエス教長老会 (統合)の信徒数はそれぞれ200万人前後である。以後、韓国教会は、21世紀になると、非常に意味のある長老教団が誕生した。ジョンノックスのスコットランド長老教の伝統の歴史的継承を宣言した韓国イエス教長老会(舊:韓国正統長老教会)が発足した。
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