非国際内航船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:46 UTC 版)
非国際日本船籍内航船はSOLAS条約などの国際条約を満足しない。よって、基本的に日本国内海域内のみ航行できる。しかしながら特別な協定が韓国と結ばれているのか、非国際沿海区域及び限定近海区域を運航できる内航船は韓国へ行ける。日本では船舶の航行する水域を「平水区域、沿海区域、近海区域、遠洋区域」の4つに区分している。平水区域のみしか運航できない日本船籍内航船は船舶に係る設備・構造の基準や船体の強度及び水密を保持に問題があるので国際航海は出来ない。そして沿海区域又は/及び限定近海水域図のみしか運航できない日本船籍内航船は指定された水域以外の国際航海には従事できない。よって限定近海水域以内のみ航行できる日本船籍内航船が有効な検査証書を具備した船舶であっても目的地が外国の港(韓国やロシアの一部を除く)であれば国際航海となり国際条約を満足しないサブスタンダード船となる。 非国際日本船籍内航船はSOLAS条約で要求される無線設備(GMDSS)の問題がある。無線設備(GMDSS)には多額の費用が必要となるので船が運行される区域で要求される無線設備以外は設置しない。(GMDSSのA1+A2+A3をカバーしている無線設備を搭載した非国際内航船は存在しない。電話と同じように電話機だけあっても契約しないと使えないようにアカウントを開設しないと使えない無線機器もある。アカウントを開設しても無線機器を再設定しないと使えない。 非国際日本船籍内航船に対して発給されるトン数証書の総トン数は日本トン数の数値であるが、国際航海に従事する船舶が保持するトン数証書の総トン数は国際トン数である。国際トン数証書は「1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約(ITC)」に従って算出される。日本の総トン数499型内航貨物船の日本トン数が499トンであれば、国際トン数では1,000トンを軽く超える。国際条約の要求は基本的に国際トン数の数値で決まる。よって総トン数が499トンである内航船は外国船籍になった時点で、国際トン数1,000トン以上の船舶として国際条約の要求を満たす必要があるのでサブスタンダード船となる。 外国人が乗船することを想定されて建造された外航船とは違い、非国際日本船籍内航船の計器、計器のマニュアル、そしてその他の書類には日本語が使用されている。多くの外国人船員は日本語が理解できない。外国人船員が元非国際日本船籍内航中古船を操船して外国の港に行く場合、外航船と比べて人的要因に係るソフト面での安全対策や船舶の安全運航に関して問題が起きる可能性が高い。
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