電解質
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電解質(でんかいしつ、英語: electrolyte)とは溶媒中に溶解した際に、陽イオンと陰イオンに電離する物質のことである。これに対し、溶媒中に溶解しても電離しない物質を非電解質という。
一般に電解液は電気分解が起こる以上の電圧をかければ電気伝導性を示すが、電解液でないものは電気抵抗が大きい。また、ほとんど溶媒中に溶解しないものは電解質にも非電解質にも含まれない。 溶融した電解質や固体の電解質というものも存在する。
つまり、物質を水に溶かしたとき、イオンになるものとならないものがあり、電気を通す物質はイオンになるものである。これを電解質という。
電解質溶液は十分に高い電圧(一般に数ボルト程度)をかけると電気分解することが可能である。「電解質」という名称はこのことから付けられた。電気分解を起こすことのできる理論分解電圧 V ′ はギブス自由エネルギー変化と以下の関係にある。実際には過電圧のため理論分解電圧より高い電圧を必要とする[1]。
電離度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:30 UTC 版)
電解質を溶解した際に、実際に電離している物質のモル比を示したものを電離度(でんりど)という。記号 α で表すことが多い。 電離度が 1 に近い物質を強電解質 (strong electrolyte)、電離度の小さい物質を弱電解質 (weak electrolyte) という。また、電解質にはイオン性化合物のものと分子性化合物のものがある。 電離度は濃度の影響を大きく受け、濃度があがるにつれて小さくなり、反対に無限に希釈した場合は 1 になる。このため、物性の指標としては扱いにくく、pH の計算などでは電離平衡を考えた平衡定数を用いる場合が多い。 また、温度および圧力依存性も示し、電離に対するエンタルピー変化が負であるものは温度上昇により電離度が減少する。 ( ∂ ln K ∂ T ) P = Δ H ∘ R T 2 {\displaystyle \left({\partial \ln K \over {\partial T}}\right)_{P}={\Delta H^{\circ } \over {RT^{2}}}} また電離により電荷を持つイオンに対する溶媒和の程度が増大し体積変化は負であることが多いため、一般的に圧力増大により電離度は上昇する。 ( ∂ Δ G ∂ P ) T = Δ V {\displaystyle \left({\partial \Delta G \over {\partial P}}\right)_{T}=\Delta V}
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