集合と類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:47 UTC 版)
先に与えた定義に従って記述された式 x ∈ M {\displaystyle x\in M} において、文字 M が表すものは集合である。 素朴集合論においてよく知られた逆理が導かれるなどの理由により、元 x の属する対象 M は集合でなく類(クラス)と考えたほうが有効な場面がある。例えば圏論では圏に属する元(圏論の文脈ではこれを「対象」と呼ぶ)の全体は類と考える。 ZF(C)集合論においてよく用いられる類の定式化は、単項述語そのものを類と見做すことである。つまり、「x が類 M の元である」とは単に述語 P を用いた式 P(x) のことに他ならない。
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集合と類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 03:27 UTC 版)
(集合の)恒等関係(「~に等しい」)、帰属関係(「~の元である」)、包含関係(「~の部分集合である」)といったようなある種の「関係」では、これらの関係の始集合および終集合となるべきものが公理的集合論の通常の公理系では集合とはならず、上述の意味での二項関係として理解することができないということがしばしば起こりうる。 例えば、(通常の集合論では集合にならない)「集合全体の成す集合」を始集合と終集合に持つ二項関係 “=” として「恒等関係」の一般概念のモデルを考えたいとする。この問題は、通常は(宇宙または普遍集合と呼ばれるような)「十分大きな」集合 A をとって、“=” の代わりに考える対象を A に含まれる集合だけに制限した制限関係 “=A” を考えることによって回避する(必要ならば普遍集合をさらに大きなものに取り替える)。同様に、「包含関係」⊆ も始集合と終集合をある特定の集合 A の冪集合 P(A) に制限して関係 ⊆A を考え、また同様に「帰属関係」∈ も始集合を A に終集合を P(A) に制限することで関係 ∈A が定められて問題を回避することができる。 もっと別な解決の方法として、真の類(英語版)を持つような集合論、たとえばNBG(英語版)やモース–ケリー集合論(英語版)のようなものを考え、始域 (domain)、終域 (codomain)(およびグラフ)が(集合だけでなく)真の類であることを許すような関係を考えるというのがある。このような集合論と関係の定義であれば、先ほどの恒等関係、帰属関係、包含関係は特に注釈を入れることなくそのまま二項関係として扱うことができる(順序三つ組 (X, Y, G) の概念を考えるには少々修正が必要で、通常は真の類は順序組の元になれないものとする。もちろんこの文脈でもグラフを指示函数と同一視することは可能である)。 ほとんどの数学的な文脈では、恒等関係、帰属関係、包含関係は暗黙のうちに適当な集合に制限して考えているものとして扱って差し支えない。
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