集合の圏の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/11 13:57 UTC 版)
集合の圏 Set におけるエピ射(圏論的全射、全型射)は上への写像(集合論的全射、全写像)であり、モノ射(圏論的単射、単型射)は一対一(集合論的単射、単写像)である。また同型射は集合論的双射(全単射)で与えられる。 集合の圏 Set における始対象は空集合(に空写像をその唯一の射と考えたもの)で与えられ、終対象は任意の単集合(で、始域のすべての元をその唯一の元に写す写像を射としたもの)で与えられる。ゆえに集合の圏 Set において零対象は存在しない。 集合の圏 Set は完備かつ余完備(英語版)である。Set における積(圏論的直積)は集合のデカルト積(集合論的直積)で与えられ、余積(圏論的直和)は非交和(集合論的直和)で与えられる。 集合の圏 Set は具体圏(英語版)の原型であり、圏が具体的 (concrete) であるとは適当な意味において Set 「のように」扱えることを意味している。 任意の二元集合が Set の分類子(英語版)となる。集合 A の(トポスの意味での)冪対象は A の冪集合 𝒫(A) で与えられ、集合 A, B の指数対象は A から B への写像全体の成す集合(配置集合)BA で与えられる。すなわち Set はトポス(特にデカルト閉)である。 集合の圏 Set はアーベルでも加法的でも前加法的でもない。 右零射は空写像 ∅ → X で与えられる。 Set の始対象でない任意の対象は入射的かつ(選択公理を仮定すれば)射影的である。
※この「集合の圏の性質」の解説は、「集合の圏」の解説の一部です。
「集合の圏の性質」を含む「集合の圏」の記事については、「集合の圏」の概要を参照ください。
- 集合の圏の性質のページへのリンク