集合の特定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:54 UTC 版)
集合を表す最も簡単な方法は、その要素を列挙する方法である(集合の外延的な定義として知られる)。したがって {1, 2} は要素が 1 と 2だけである集合を表す(対の公理を参照)。以下の点に注意せよ(これらは、前節での同一性の定義の結果である)。 要素の順序は区別しない。たとえば、{1, 2} = {2, 1} 。 要素の繰り返し(多重度)は区別しない。たとえば、 {1, 2, 2} = {1, 1, 1, 2} = {1, 2}。 { dogs } という表記ですべての犬の集合を示すように、表記が非形式的に濫用される可能性があるが、この場合はふつう、数学者は「単一の要素 "dogs" を含む集合」と解釈する。 この表記の極端な(しかし正しい)例は { } {\displaystyle \{\}} で、これは空集合を表す。 表記 {x : P(x)} や {x | P(x)} は、条件 P を満たす対象すべてを含む集合を示すのに用いられる(集合の内延的な定義として知られる)。たとえば、 {x : x ∈ R}は実数の集合を、{x : x は金髪である} は金髪であるすべてのものの集合を表す。 この表記法は、集合の内包的表記法(英語版)(または、特に関数型プログラミングの文脈では「集合の理解」)と呼ばれる。集合の内包的記法のいくつかの変形は次のとおり。 {x ∈ A : P(x)} はすべての x がすでに A の要素であり、かつ x が条件 P を満たす集合を表す。たとえば、Z を整数の集合とすると、{x ∈ Z : x は偶数} はすべての偶数の整数の集合となる(分出公理を参照)。 {F(x) : x ∈ A} は集合 A の元を式 F に与えて得られる、すべての対象からなる集合を表す。例えば、 {2x : x ∈ Z} は上と同様に偶数の集合を表す(置換公理を参照)。 {F(x) : P(x)} は集合の内包的表記法として最も一般的な形式である。例えば、{ x の飼い主 : x は犬 } はすべての犬の飼い主の集合となる。
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