障害者の精通と性教育、性介助
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 03:02 UTC 版)
「精通」の記事における「障害者の精通と性教育、性介助」の解説
「性介助」も参照 知的障害児の場合、精通を含む性の目覚めは大人になってきたしるしとして理解されるよりも、周囲の大人にとってはやっかいなこととして認識されやすい傾向がある。 知的障害や精神遅滞、自閉症のある男児の中には、オナニーによって性欲を処理することを自らの試行や同年代の友人からの情報によって獲得することが困難で、思春期の旺盛な性欲のはけ口がなく、周囲の女性に抱き付いてしまう者、あるいは性に対する羞恥心を獲得することが困難な者の場合は他人の面前でオナニーをする等のトラブルを招くことがある。 身体障害児の場合、手がない、動かせないなどの障害をもつ場合、手を使ったオナニーを行うことは不可能であり、ペニスを布団などにこすりつけるなどの方法でのオナニーとならざるを得ないほか、射精後にティッシュで拭くなどの後片付けも不可能である。布団を汚す可能性も高い。そのため、バスタオルなど、掛け布団に巻くことのできる程度に大きく、かつ、陰茎亀頭を挟んで擦り付けても痛めない程度に柔らかく、かつ精液を吸収できる厚手のタオルを用意するなど介護者が配慮することが多い。 1948年から1996年まで存在した旧優生保護法によって、障害をもつ者は、「不良な子孫の出生を防止する」として、生殖能力を失わせる断種手術が行われていた。中には強制的に不妊手術を受けた者も居る。近年ではそのような手術は重大な人権侵害と見なされるようになったため、性に関するトラブルを防ぎ、また本人の性の尊厳を守る目的で、性的欲求を社会生活上問題のない形で自分で解消させるため、障害児者の状況に応じて、オナニーのやり方やマナーを親や周囲の大人が詳しく教えることがある。 脳性まひや筋ジストロフィーなどの全身性の運動障害でオナニーを行うこと自体が困難な場合、介護者が手で性器を刺激し射精させる射精介助が行われる場合もあるが、配偶者がいない場合、親や兄弟姉妹がこれを行うことは心理的に大きな抵抗があり、頼りとなる外部の介護スタッフの場合、「性的サービス」としてデリバリーヘルスと同様の扱いを受け風俗営業法の届出を提出することを求められるなど、法制面の問題が残っている。
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