関門テレビ局開局
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1961年7月14日、KRYは下関市火の山で4チャンネルの予備免許を受け、関門局は徳山本局と異なる番組を放送する独立した親局として放送を開始した。これがいわゆる「関門テレビ局」である。このことは、民放1社が2つの独立する親局を受け持つ(1局2波体制)という、全国初の出来事であった。そのため、当時の県内向けの新聞のラテ欄は、『山口テレビ(徳山・萩・岩国)』と『山口放送関門』のように並列で掲載された。 この当時のニュースも、徳山本局と関門局とで別のものが放送された。 徳山本局・関門局共通 - 『朝日新聞ニュース』、『毎日新聞ニュース』、『KRY テレビ夕刊』(自社制作、第1世代。1962年5月21日スタート。) 徳山本局のみ - 『NNNあさ7時のニュース』(日本テレビ配給)、『日本テレニュース』→『NNNワイドニュース』(同)、『NNNニュースフラッシュ』(同)『NNNきょうの出来事』(同) 関門局 - 『KRYテレニュース』(フジ系『共同テレニュース』受け・ただし『産経新聞ニュース』差し替え分は徳山局でも放送)。 これには当時の電波事情と、山口と福岡を取り巻くネットワーク事情が複雑に入り組んでいる。KRYにとって、下関市をサービスエリアとする「関門局」は待望の開局であったが、郵政省からは、電波送信と番組放送に規制がかけられた。主な規制は、以下のとおり。 当時はVHF1~12チャンネルと、テレビ送信に使用できる周波数帯域に限りがあったため、関門局と同一の4チャンネルを使用していた、RKB・RCCなどとの混信を抑制するため、西と南方向の電波送信を規制(=「指向性をかける」)する。 徳山(現・周南)本局からのフィルム番組・自主制作番組を、50%以上放送する。 エリアを共通とする他地域の民放局(RKB毎日放送 (RKB、TBSテレビ系)、テレビ西日本 (TNC、当時は日本テレビ系)、九州朝日放送 (KBC、当時はフジテレビ系・NET系クロス)と内容を同じくする番組は、1日の放送時間に対して3分の1以下とする。 関門局は、当初40%の番組がマイクロネットだったが、次第に減り、2〜3年後にはすべてフィルム番組となり、山口放送の経営をかなり圧迫した。この事態は1964年10月1日にTNCが日本テレビ系を離脱し、徳山本局と同じ番組が流せるようになるまで続いた
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