開発と保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/04 10:15 UTC 版)
「ドンパヤーイェン-カオヤイ森林地帯」の記事における「開発と保護」の解説
1980年以降のタイの経済発展に伴い中流階級の保養地として「バンコクから日帰りで望める観光地」といわれるまで人気が高まり、海のパッタヤーに対して、カオヤイ国立公園を中心に山のリゾート開発が行われている。事実、高級ロッジなども作られており、実際に保養地として機能している。 一方稲作には向かない地域であるが、牛の放牧などには向いており、地域北側の保護されていない地域ではこの放牧が行われている。ここで生産される農産物にはチョークチャイ牛乳などのブランドとして定着したものもある。またワイン用のブドウなども生産され、カオヤイ・リザーブと呼ばれる国内最高級ワイン・ブランドも生産されている。 また、この地域を縦断する道路もあり、これも地域の環境に大きな影響を与えている。特に国道304号線はイーサーン地域の物流の中心であるナコーンラーチャシーマーとバンコク湾東岸部の工業団地やサッタヒープ港などを結んでおり交通量が多いため、これらが地域の自然に与える影響は大きいといわれる。 これらの開発はむろん地域の自然に打撃を与えるものの、実際には地元経済に打撃を与えるためこれらを規制することはできない。これは国の開発政策とぶつかる問題であり、この地域の保護をどのように行うべきかという課題を提示している。 一方で、一般の観光客が増えたことにより観光客が動物に攻撃されるという事件も頻発している。これは、手つかずの自然に生息しているため、動物は人間になれていないが、アクセスの良さから野生動物になれていない人間が訪れ、そこにたまたま現れた動物に無警戒に近寄るために起こるものである。この地域では手慣れたパーク・レンジャーでも動物におそわれることがある地域である。一般人のレジャー感覚の訪問にどのように対応すべきかというのも、この地域の課題である。
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