銅の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 02:33 UTC 版)
現在、電解精錬は主に銅の精錬で用いられる。粗銅(純度99%)を純銅(純度99.99%以上)にすることができる。銅の電解精錬では、粗銅板を陽極、純銅板を陰極として、硫酸酸性硫酸銅(II)水溶液中で行う。(ステンレス板を陰極にして、純銅を析出させ、剥ぎ取るやり方もある)粗銅には銅のほか鉱石由来の不純物として鉄、ニッケル、亜鉛などが含まれるほか、金、銀などの貴金属類やセレン、ケイ酸塩なども微量に含まれる。また銅鉱石を製錬する際、金鉱石(石英中に金の微粒子として含まれるもの)を融剤として用いると含まれていた金は粗銅地金に移るため、銅製錬と金の回収の一石二鳥の製錬が可能である。 陽極ではこの粗銅から銅イオン、に加えて銅よりもイオン化傾向が大きい鉄イオン、ニッケルイオン、亜鉛イオンなどが溶け出す。これによりイオン化しにくい金、銀、セレン、テルルおよびケイ酸塩などは粗銅中から外に出て陽極の下に陽極泥として沈殿する。陰極では粗銅から溶け出した銅イオンや、もともと硫酸銅水溶液に含まれていた銅イオンが銅として析出し純銅の陰極に付着する。陽極で粗銅から溶け出したほかのイオン化傾向が大きい(酸化還元電位の低い)金属イオンは析出せず水溶液中に溶けたままなので、陰極では純粋な銅が得られる。ヒ素、アンチモン、ビスマスも陽極に含まれるが、これらはイオン化傾向(酸化還元電位)が銅に近く、陽極から一部が溶け、一部が沈殿する。
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銅の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 03:32 UTC 版)
焙焼された銅精鉱の場合、希硫酸を用いた堆積浸出法により希薄硫酸銅(II)溶液が得られる。この溶液をミキサセトラに送り、ケロシンを溶媒とした有機相と混合すると、硫酸銅(II)は有機相に抽出される。水相は浸出槽に戻されて銅の浸出に再利用される。 チリの銅鉱山など塩化物濃度が高い環境では、有機相を水で洗浄して不純物を除去する。 有機相に硫酸を加え、銅を有機相から水相に抽出すると、電解精錬に適した硫酸酸性硫酸銅(II)溶液が得られる。
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