銃の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:12 UTC 版)
13世紀後半の中国で誕生した銃が、15世紀前半のアナトリアで改良され、武器のあり方を大きく変化させた。中国で使用されていた火器が、13世紀のモンゴル帝国の遠征と交易によって中東へと伝播して、アナトリアで銃が発展したと考えられている。 銃は従来の武器に比べ、格段に優れた点と欠点をもっていた。重装化された鎧を貫く高い破壊力を有した。一方、装弾の手間による射撃間隔の長さ、水気に弱いといった特徴がある。近接攻撃力と防御力および突破力に欠ける弱点があった。 火器の発展に伴い近接武器も大型の近接武器は姿を消し、軽い刀剣類が主流となる。銃の長所を伸ばし弱点を補う改良と運用の研究が行われ、軍隊の中心武器へと比重を高めていくことになる。初期では銃兵による射撃、射撃の間隙(かんげき)を突く騎兵、長槍を装備した槍兵による防御を組み合わせて運用されたが、銃剣の発明により銃兵が白兵戦に対応可能となったため槍兵は姿を消した。17世紀に片手で操作できる本格的な小型拳銃(ピストル)が誕生すると、馬上射撃用として普及し抜剣突撃戦術と併せて騎兵の有用性を高めた。 その後も、弾薬自体を複数備えるリボルバーや連装化、装填する弾薬と火薬を梱包する薬莢と実包の登場。弾道を安定させるライフリング、先込めに比べ装填が楽な後装式など、次々に改良が行われた。 15世紀末に始まるヨーロッパ人による植民地経営にも携行され、殺害や戦闘に用いられた。特に金属製の剣や銃は金属技術を持たない文明を圧倒し、文明の滅亡と大規模な殺戮を生んだ。
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