三年式機関銃、その後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 22:29 UTC 版)
「三年式機関銃」の記事における「三年式機関銃、その後」の解説
三年式機関銃の導入により陸軍は野戦における機関銃の使用域が拡大した。しかし第一次世界大戦後に発展してきた戦車や航空機といった兵器に対しては力不足が目立ち始めた。 6.5mm弾という小口径弾薬を使用する本銃は、たしかに人間相手の戦闘では威力を発揮したが相手が装甲車ではまったく歯が立たなかった。1925年(大正14年)には対空用三脚に載せた「高射機関銃」が採用となったが、その照準器は射距離600mに固定されており、最大射程でも高度1000mを速度200km/h以下(これは第一次世界大戦以前の航空機の性能)で飛ぶ航空機相手でないと有効では無かった。さらに使用弾薬には曳光弾が無く、対空射撃をしても何処を射撃しているかわからない、修正射撃が出来ないといった欠点も表れた。そのため日中戦争ではアメリカ合衆国・ソビエト連邦の航空機を装備した中国軍飛行隊には今一つ効果が無く、十一年式軽機関銃の登場や、三年式機関銃を改造し口径を上げた九二式重機関銃の登場により1933年(昭和8年)から三年式機関銃の生産は打ち切られた。 ただ九二式重機関銃自体がすぐには全部隊には行き渡らなかったため生産中止後もしばらくは各部隊で使用された。 車載用に改造した「改造三年式機関銃」(6.5mm)が、ルノー甲型戦車やルノー乙型戦車やマーク A ホイペット中戦車や八九式中戦車に搭載された。 試作型とは別に、九二式重機関銃の7.7mmの九二式実包を使用できるように改造(1931年(昭和6年)3月以降)された三年式機関銃も存在し、九二式重機関銃と併用されていた。改造型は銃本体に「改」の文字が刻印されていた。改造型の三年式機関銃は九二式重機関銃として扱われた。 なお、当時の記録写真や現存する実銃に対して戦後付けられた説明には、三年式と九二式とが混同されている場合があるので注意が必要である。
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