重文指定に伴う景観復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 02:09 UTC 版)
重文指定に先立って、国土交通省新潟国道事務所は建設当時の設計図などに基づいて、萬代橋を架橋当初の姿に可能な限りの範囲で復元する改修工事に着手した。歩道部の排水性舗装化とロードヒーティングの設置など、歩道部のバリアフリー化を兼ねた路面補修の他、街路灯が架橋当初と同型の意匠に交換された。当時の街路灯には路面電車の計画に合わせ、架線を支えるフックが設けられていたが、これも復元されている。さらに老朽化したライトアップ用サーチライトに代わり、戦前に設置されていた10基の橋側灯が復活した。このうち半数の5基分の製作費については、市民からの寄付(約1,800万円)で賄われた。なお街路灯と橋側灯の本体は、架橋当初と同じ南部鋳物で鋳造されたものである。この改修完工に際し、8月21日には萬代橋の重要文化財指定を記念して「萬代橋誕生祭」を開催、75歳の誕生日と重文指定を祝った。 こうして市民が参加する形で行われた景観復元工事は、2009年度(平成21年度)の土木学会デザイン賞を受賞した。 なお2004年(平成16年)までは橋の両詰の道路上に、橋名を記載した案内標識が設置されていたが、重文指定を前に撤去された。しかし撤去以降、県外の観光客などから「橋の上を通っても橋の名前が分からない」との意見が寄せられたことから、新潟国道事務所は2011年(平成23年)2月6日深夜に案内標識の再設置工事を実施した。
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