酵素反応の活性化エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 06:39 UTC 版)
「酵素反応」の記事における「酵素反応の活性化エネルギー」の解説
一般に化学反応の進行する方向は基質や生成物の濃度、温度・圧力など(熱力学的状態)によって決定付けられる。言い換えると、化学反応は化学ポテンシャルが小さくなる方向に進行し、反応速度は反応の活性化エネルギーが高いか否かに大きく左右される(記事 化学平衡や反応速度論に詳しい)。 酵素反応は触媒反応で、化学反応の一種なので、その性質は同様である。ただし、一般に触媒反応は化学反応の中でも活性化エネルギーが低いのが通常であるが、酵素反応の活性化エネルギーは特に低いものが多い。 触媒の活性化エネルギー比較反応名触媒/酵素†エネルギー値(cal/mol)H2O2の分解 (なし) 18,000 白金コロイド 11,000 カタラーゼ†(Catalase; 肝) 5,000 ショ糖の加水分解 H+ 26,500 サッカラーゼ†(酵母) 11,500 カゼインの加水分解 HCl aq. 20,000 キモトリプシン†(Trypsin) 12,000 酢酸エチルの加水分解 H+ 13,200 リパーゼ†(Lipase; 膵) 4,200 一般に活性エネルギーが15,000cal/molから10,000cal/molに低下すると、反応速度定数はおよそ4.5×107倍になる。
※この「酵素反応の活性化エネルギー」の解説は、「酵素反応」の解説の一部です。
「酵素反応の活性化エネルギー」を含む「酵素反応」の記事については、「酵素反応」の概要を参照ください。
- 酵素反応の活性化エネルギーのページへのリンク