郡立から町立へ(1913-1951)
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「御坊市立図書館」の記事における「郡立から町立へ(1913-1951)」の解説
日高郡立図書館として1913年(大正2年)6月に開館し、日高郡御坊町の日高郡会議事堂の中に設置された。同年同月には有田郡立図書館(現・湯浅町立図書館)も開館しているが、有田郡立図書館は1908年(明治41年)6月に紀伊教育会有田郡支会が有田郡教育品陳列場を設置し、図書や標本などを展示し一般の住民に縦覧させるなど、図書館に準じた活動をしていた前史がある。日高郡立図書館は南部町(現・みなべ町)に分館を設置し、巡回文庫も実施するなど積極的な活動を行った。1921年(大正10年)3月時点の蔵書数は6,241冊で、金額に換算すると6,611円であった。御坊市立図書館が所蔵する『南紀徳川史』、『広文庫』、『燕石十種』、『続々群書類従』、『国民文庫』、『甲子夜話』、『平田篤胤全集』といった貴重書群は、すべて郡立図書館から継承したものである。 郡制廃止に伴い郡立図書館も閉館することになり、地元の御坊町が蔵書一式を無償で引き受け、施設もそのまま日高郡会議事堂を借用した。これは1924年(大正13年)10月のことであり、この時御坊町立図書館に改称した。1932年(昭和7年)時点の蔵書数は6,900冊、閲覧者数は3,162人、閲覧冊数は4,730冊であり、1935年(昭和10年)には閲覧者数は9,845人、閲覧冊数は18,591冊に増加した。1938年(昭和13年)9月には中町清交会館に分館を設置し、図書300冊を配架した。 1944年(昭和19年)、御坊町役場内の町会議場へ図書を移し図書館も移転したが、利用者は少なかったという。『御坊市史』では児童・青年向けの文学書が少なく、新規購入図書がほとんどないことや図書館が役場の一角という立地で町民がなじめなかったことが要因であるとしている。和歌山県の統計によれば1948年(昭和23年)の蔵書数は4,358冊、1950年(昭和25年)は2,991冊と減少しているが、これでも和歌山県内の市町村立図書館では田辺市立図書館に次ぐ県内第2位の数値であった。
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