連星に関する研究成果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 15:20 UTC 版)
ハーシェル以来約200年にわたって連星について様々な研究が行われ、いくつかの一般的な性質が明らかになっている。 恒星のうち少なくとも約 1⁄4 は連星系であると考えられている。また連星系のうち約10 %は三連星 (ternary) など、3つ以上の恒星からなる系である。 連星の軌道周期と軌道の離心率の間には直接的な相関関係があり、短い周期の連星では軌道の離心率が小さい(円軌道に近い)。また、連星の2星の距離は近いものから遠いものまで様々である。近いものでは互いの星の表面が接触しているものもある。遠いものになると、非常に離れているが天球上の2星の固有運動の値が同じであるということから、2つが重力的に束縛されていることが辛うじて分かる、というものまで存在する。連星の軌道周期は対数正規分布に従っており、周期が約100年程度の連星が最も多い。 連星の2つの星が同じ明るさの場合には、そのスペクトル型も等しい。明るさの異なる連星では、明るい方の星が巨星である場合には暗い方の星はより青いスペクトル型に属し、明るい方が主系列星ならば暗い星はより赤いスペクトル型に属している。 一般に、質量を決めるには重力の大きさを測定する必要があるが、恒星の中では(太陽や重力レンズを引き起こす恒星の例を除けば)連星が重力の大きさを測定できる唯一の存在である。このため、連星は恒星の中でも観測的に重要な地位を占めている。 実視連星の場合には、軌道の形が決まってかつ連星系の視差の値が得られれば、ケプラーの第三法則によって2つの星の質量の和を直接求められる。 分光連星の場合には、その連星が同時に実視連星や食連星でない限り軌道の形を完全に決めることができないため、視線方向に対する軌道傾斜角のサイン(正弦)を質量に乗じた積の形でしか求めることができない。よって、軌道傾斜角に関する別の情報が得られない限り、その質量は統計的に推定することしかできない。 分光連星が食連星でもある場合には、その連星系の両方の星についての性質(質量、密度、大きさ、光度、およその形状)を完全に得ることができる。
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