農業および牧畜業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 06:34 UTC 版)
農業と牧畜業はラ・マンチャ地方の主要な産業である。農業では、乾燥農業が盛んで、とくに地中海の三大作物とも呼ばれる、穀物類、ブドウ、オリーブが栽培されている。穀物類では、小麦と大麦が多く栽培されている。 また、ラ・マンチャ地方のブドウ栽培面積は世界一の栽培面積を誇り、アルバセテ県、シウダー・レアル県、クエンカ県、トレド県に広がり、原産地呼称制度(DO)の対象となっている。栽培面積190,980ヘクタールで、182自治体に及んでおり、ここで生産されるワインD.O.ラ・マンチャ(Denominación de Origen La Mancha)は単一の生産地としては世界最大生産量を誇る。しかし、原産地呼称ラ・マンチャ以外にも以下のような原産地呼称地域が存在する:D.O.バルデペーニャス(Denominación de Origen Valdepeñas)、D.O.マンチュエーラ(Denominación de Origen Manchuela)、D.O.リベーラ・デル・フカル(Denominación de Origen Ribera del Júcar)、D.O.アルマンサ(Denominación de Origen Almansa)。 他には、サフラン栽培が有名である。この地で生産されるサフランは原産地呼称制度で保護されており、アルバセテ県の全域と、シウダー・レアル県、クエンカ県、トレド県などの一部、総計315自治体で栽培されている。 他には地理的表示産品として保護されているものとしてはメロンがあげられる。ラ・マンチャ・メロン(Melón de La Mancha)はシウダ・レアル県の13自治体(アルカサル・デ・サン・フアン、アレナーレス・デ・サン・グレゴリオ、アルガマシージャ・デ・アルバ、カンポ・デ・クリプターナ、ダイミエル、エレンシア、ジャーノス、マンサナーレス、メンブリージャ、ソクエジャモス、トメジョーソ、バルデペーニャス、ビジャルタ・デ・サン・フアン)で生産されている。 このほかの原産地呼称産品は、カンポ・デ・モンティエル地区(Campo de Montiel)のオリーブ・オイル、アルマグロ(スペイン語版)のなすび(Berenjena de Almagro)や、ラス・ペドニェーラス(スペイン語版)のニンニクがある。 一方、牧畜業では、ヒツジの飼育、そしてヤギの飼育が盛んで、何世紀もの間群れで季節移動を行い、羊毛、ミルク、肉などを生産した。 とくに、ヒツジのミルクから作られるケソ・マンチェゴ(Queso manchego、ラ・マンチャのチーズの意)はよく知られており、原産地呼称で保護されている。また、子羊の肉も地理的表示産品として保護されている。これらはアルバセテ県、シウダー・レアル県、クエンカ県、トレド県などの地域で生産されている。 牧羊業に比べると、その重要性は小さくなるものの、豚、牛などの牧畜もおこなわれている。
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