農業での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 17:05 UTC 版)
最近ではトマトやナスの栽培の受粉でもマルハナバチが利用されている。利用されているのは、セイヨウオオマルハナバチが中心である。ホルモン処理よりも省力化が進み種子が多くできるので、トマトでは空洞果が出来にくくなり果肉の食味は甘くなり、ゼリー部は酸っぱくなるという。ただしマルハナバチを利用すると、これに害をなす農薬は使えないので天敵利用に進むことになる。 しかし一方でセイヨウオオマルハナバチは世界各地で野生化し、強い競争力による在来花蜂の減少や近縁の在来種との交雑、あるいは在来植物の結実率低下など、様々な生態系の攪乱を引き起こすとして問題にされている。栽培用ハウスの外に出さないようにし、また在来種の販売利用も始まっているが在来種利用にも地域移動により生態系が攪乱されるという問題があるとする向きもある。 日本では2018年時点で、マルハナバチを使う農地3310ヘクタールのうち、セイヨウオオマルハナバチが75%、在来種クロマルハナバチが25%である。農林水産省園芸作物課は授粉効果に差はないという見解を示しており、在来種への転換を奨励している。
※この「農業での利用」の解説は、「マルハナバチ」の解説の一部です。
「農業での利用」を含む「マルハナバチ」の記事については、「マルハナバチ」の概要を参照ください。
- 農業での利用のページへのリンク