軽量化120mm滑腔砲 (XM360)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/20 05:04 UTC 版)
「MCS」の記事における「軽量化120mm滑腔砲 (XM360)」の解説
軽量化のために装甲が犠牲になったMCSは、敵戦闘車両との直接砲撃戦によって被弾するリスクを避けるために、戦車共通の直接照準 (Line of sight) 射撃法だけでなく、視程越え (Beyond-LOS) 射撃法も標準的な攻撃手段としている。 2007年末の現在もARDEC(武器工学・技術センター)で開発中でMCSに搭載予定のおそらく44口径と推定される、120mm滑腔砲XM360は、重量わずか1,860kgで同じ44口径でM1エイブラムスにも使用されている120mm滑腔砲M256が3,023kgであるので、かなりの軽量化が行なわれている。しかし従来の砲に比べて軽量化されていても44口径では、すでに52 - 55口径を備える主力戦車が一般化している現状では、初速度の不足は明らかであり、その点を補う意味でも新たな専用の中射程誘導砲弾(次項)を開発中である。XM360に使用する砲弾はこの専用の新開発砲弾と共に、従来型の120mm砲弾も高性能化が図られている。先進運動エネルギー (Advanced Kinetic Energy) 砲弾と名づけられた徹甲弾は対戦車用であり、LOS-MP砲弾は多目的榴弾である。 XM360は信管調停等が電磁気的に行なえる高機能砲弾とのデータリンク用にコイル状のインターフェースを備える。無人砲塔のためアメリカ軍の戦車としては初めて自動装填装置を搭載する。弾薬は主砲機関部をはさんで砲塔リングぎりぎりに発射方向と同方向に寝かせて並べられ、縦長幅広の2組の帯状ループを構成している。弾倉部の砲塔上部装甲はブローオフ・パネルになっており、被弾時、搭載弾薬の誘爆によって内圧がある程度上昇すれば車体内部被害の軽減化のために吹き飛ぶ構造になっている。 実験写真では、完全な四角形の砲身冷却用外板が写っており、対電波・対赤外線に対するステルス性能が考慮されているタイプも開発中であることが伺える。
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