軍楽隊とクラシック音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:35 UTC 版)
「サクソフォーン」の記事における「軍楽隊とクラシック音楽」の解説
サックスは最初に軍楽隊で人気を博した。ドイツでは当初は無視されていたが、フランスやベルギーの軍楽隊はいち早くこの楽器をアンサンブルに取り入れた。ほとんどのフランスやベルギーの軍楽隊は少なくとも、E♭バリトン、B♭テナー、E♭アルト、B♭ソプラノから成る4人組のサクソフォーンを編成に含んでいる。これらの4つの楽器は、サクソフォーンの中で最も人気があることが示されてきた。E♭コントラバスとB♭バスは通常、非現実的な大きさで、E♭ソプラニーノは力強さが不十分であると考えられている。イギリスの軍楽隊では、最低でも2人のサックス奏者をアルトとテナーに配置する傾向がある[要出典]。 サクソフォーンはコンサート・バンドに導入され、大抵はE♭アルトサクソフォーン、B♭テナーサクソフォーン、E♭バリトンサクソフォーンが求められる。コンサート・バンドでは、アルトが2人、テナーが1人、バリトンが1人の場合もある。また、B♭ソプラノサクソフォーンを使うこともあるが、その場合は第一アルトサクソフォーン奏者が演奏する。B♭バスサクソフォーンは、一部のコンサート・バンド音楽(特にパーシー・グレインジャーの作品)で使用されている。 サクソフォーンは、サクソフォーン四重奏やその他の室内楽の編成で使用される。クラシックのサクソフォーン四重奏は、B♭ソプラノサクソフォーン、E♭アルトサクソフォーン、B♭テナーサクソフォーン、E♭バリトンサクソフォーン(SATB)で構成される。時折、ソプラノが第2アルトサクソフォーン(AATB)と入れ替わることもある。プロのサクソフォーン四重奏団の中には、ジェームズ・フェイ(英語版)のアルトカルテット(4本のアルト)のように、非標準的な楽器編成を取り入れたものもある。 サックスを知るフランスの作曲家を中心に、SATB(英語版)器楽編成法のための19世紀にさかのぼるクラシックの作曲と編曲のレパートリーがある。しかし、サクソフォーンのための室内楽作品の大部分は、1928年にマルセル・ミュールによって開始された近代クラシックサクソフォーンの時代のものである。シグルート・ラッシャーは、1931年からオーケストラ作品においてソリストとして活躍し、現代クラシックサクソフォーンのレパートリーの発展にも大きく貢献した。ミュール四重奏団は、そのメンバーが示した技術水準の高さと、近代四重奏レパートリーの発展に中心的な役割を果たしたことから、四重奏の原型であると考えられている。しかし、ミュールのアンサンブルよりも前にも、組織された四重奏団は存在した。その代表的な例は、1873年から1893年にかけてパトリック・ギルモアの第22連隊楽団の一部だったエドワード・A・ルフェーブル(1834年 - 1911年)が率いた四重奏団である。 20世紀と21世紀には、サクソフォーンの交響楽団での人気が高まった。また、オペラや合唱などのジャンルでも使用されてきた。多くのミュージカルの楽譜には、サクソフォーンのパートが含まれており、時には他の木管楽器や金管楽器と持ち替えることもある。
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