軍刀の鞘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/02 06:38 UTC 版)
軍刀には、鉄・アルミニウム製の鞘、柄が存在する。陸軍においては、最初の明治十九年制刀は、メッキ加工され銀色に輝いていた鞘だったが、敵に見つかり易いために、九四式軍刀および九五式軍刀からはメッキに代わり艶消しの塗装を施されるようになった。将校用の九四式と九八式・三式は塗装した鉄鞘のものが制式だが、戦地用には重過ぎ、また太平洋戦争後期には資源節約の要求が高まったため、革をかぶせた木製の鞘も多用されるようになっていった。上記の鉄鞘では刀身の保護とすき間調整を兼ねて、鞘の内面に木製の入れ子を設ける場合があった。海軍においては、儀仗的な意味合いが強く、昭和12年制定の太刀型軍刀は、黒漆塗りもしくは研出し鮫皮巻の鞘が用いられた。海軍刀においても、海軍陸戦隊で使われたものには陸軍同様鞘に革をかぶせたものも存在する。鞘へ納めた軍刀身の固定方法としては、陸軍では金属製の留め具(ばねと組み合わせたレバーや押しボタンなど)、海軍では古来のはばき留めがそれぞれ主流であり、その他には鞘袋と鍔とを小バンドで結ぶ方式なども用いられた。
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