車体と機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 17:27 UTC 版)
車体は一新され、従来のBMPよりも容積が大きいことから、居住性も向上している。車体は18tを超える重量になったが、エンジンは500馬力のディーゼルエンジンUTD-29に強化されており、軽戦車ゆずりの機動力で荒地走破能力は格段に向上し、最高速度は70km/hに達し、実用キャタピラ車両の中では世界一速いとも言われる。ただし、水平対向型とはいえ、エンジンを車体後部の後部扉から至る連絡通路の床下に配置したため、車体後部背面のハッチ2枚と同じく後部上面のハッチ2枚の合計4枚ものハッチを開けなければ、兵士たちは速やかに兵員室への出入りができないという不都合も持っている。 車体後部には左右両方にウォータージェットが搭載されており、BMP-1以来の水上浮上航行能力は維持され、水陸両用戦車PT-76の後継車としての役割も持っている。乗員は車長・操縦士・砲手の3名で、後部兵員室の定数は7名だが、前方操縦席両脇に各1名ずつの座席があり、ここにも人員を搭乗させた場合、固有搭乗員3名を除き最大9名の人員輸送が可能となる。この前部搭乗員席が車体前方左右の7.62mm機関銃PKTの銃手席を兼ねる。ただし、この座席から降車する場合は天井のハッチを開けて乗降するしかなく、戦闘中の乗降は危険が伴う。この欠点はBMP-2の砲塔左前の座席と同様。 従来のBMPがアフガン侵攻でRPG-7によって次々と撃破されていった戦訓から、BMP-3は要所に二重装甲を施している。また、車体と砲塔の前面は特に防御力が高く、ソ連製30mm機関砲による射距離300mからの射撃に耐えることができる。これだけの防御力と水上浮上航行能力を両立させた車両は世界的にも珍しい。さらに防御力を高めるために、浮航性を損なわない程度の爆発反応装甲を取り付けることも可能となっている。
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