車両の不燃化対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 01:44 UTC 版)
「地下鉄等旅客車」も参照 日本国内では、国鉄63系電車の桜木町駅構内での火災事故や、北陸トンネル内での急行きたぐに号火災事故を契機に、車両の不燃化が進められた。 終戦直後には、安全性の低い戦時形車両が多数残存しており、桜木町事故については、屋根や内装等が木造であったことが問題視され、国鉄での全金属製車体採用が進められた。 また、近鉄奈良線での生駒トンネル内列車火災事故など、物資不足による更新の遅れなどから、機器の老朽化による電動機や電気配線の発火事故がしばしばみられ、物資の充足と共に徐々に改善された。 なお、東京高速鉄道など、戦前の私営鉄道、ことに地下区間を持つ鉄道では、不燃性車体を開業時より火災対策として採用していた。 北陸トンネル火災は、電気暖房の配線老朽化による電気火災であり、車両に使用される配線材の難燃化・不燃化、貫通路の網張りガラス採用等の火災対策が強化された。また裸火を使用する調理設備の禁止などが行われた。 気動車では、可燃物である軽油と高温になるエンジンや排気管などの機器が併存するという構造上、火災対策には客車、電車よりも技術的困難がある。古くは西成線列車脱線火災事故後に国鉄ではガソリンエンジンの使用停止がなされた。戦後も国鉄キハ80系気動車の初期車でDMH17Hエンジンの初期トラブルから排気管の過熱による発火事故を起こし、設計が改良された。同じく排気管の過熱によるアルカディア号火災事故を契機に、JR東日本ではDMH17系エンジンの新型エンジンへの換装が進められた。21世紀に入っても、プロペラシャフトの脱落による石勝線特急列車脱線火災事故などの火災例がみられた。
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