車両のコンセプトとデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:56 UTC 版)
「岡山電気軌道9200形電車」の記事における「車両のコンセプトとデザイン」の解説
メーカーが担当した車体の基本デザインを除き、車両のデザインはコンセプト作成の段階から工業デザイナー水戸岡鋭治によるものである。 岡山市出身の水戸岡は、以前から岡山にLRVが導入される際にはボランティアとしてデザインに協力すると言明していた。岡山電気軌道が所属する両備グループ代表の小嶋光信によれば、路面電車の普及を推進していた市民団体のRACDA(路面電車と都市の未来を考える会)が開催したパネルディスカッションに参加した水戸岡に、参加者から「両備はケチなんだから、タダでLRVのデザインしてあげてください」という発言があったのがきっかけという。ここから両備グループと水戸岡の繋がりが生まれ、水戸岡が同社のデザイン顧問となった。実際に9200形のデザインにはボランティアで参加しているという。車両コンセプトは、多くの人を惹きつけるよう利用者の求める快適性を演出する、車内空間の充実を図るとともに弱者に対するきめ細やかなサービスに取り組み「21世紀の用と美」にあった車両とする、とされた。 また車体の基本デザインについては、先に登場した熊本市交通局9700形と同じく旧AEGのブレーメン形を基礎とする車両であるものの、ドイツを走るブレーメン形の外観を踏襲した熊本の9700形に対し、この9200形では他の都市とは別のデザインをとの地元の要望に応えて新たなデザインとなっている。採用されたデザインは、当時フランス・ナントに導入されていた「インチェントロ」(Incentro) と呼ばれる車両のもので、丸みを帯びた車体デザインを特徴とする。このインチェントロはブレーメン形などの後継車両として1998年にアドトランツが発表したもので、アドトランツを買収したボンバルディアの協力を得てデザインを利用している。9200形以後、新潟鐵工所とその後身新潟トランシスによって製造される超低床電車は、インチェントロのデザインの車体にブレーメン形の足回りを組み合わせた9200形の仕様を標準とする。
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