身体面の特徴・評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:15 UTC 版)
「トウカイテイオー」の記事における「身体面の特徴・評価」の解説
テイオーに関わった者が、その特徴として口を揃えるのが「身体の柔軟性」であり、牧場時代には柵を飛び越えて隣の放牧地にいたという逸話も存在する。特に騎乗経験のある者はその乗り心地の良さを挙げている。この特徴が一般ファンにも分かるものとして端的に表れたのが、「鶏跛」と呼ばれる独特の歩様であり、特に後脚の球節は地面に付くのではないかと見られたほど柔らかく、クッションの効いた脚運びはテイオーの個性として好意的に捉えられた。東京優駿のパドックでは、テレビ解説を務めていた大川慶次郎が「ちょっとテイオーの動きが悪いですね」、「トモ(後躯)の運びがおかしい」と故障の可能性を指摘したほどであったが、このコメントについて松元は「実際に馬を見たら、その通りなんです。特に馬房から引き出したら、なんやこの歩様、と思うぐらいです」と大川の見解を擁護している。 岡田繁幸はテイオーの肉体面について、「筋肉は繊細で、収縮力が強いから伸ばせばいくらでも伸びるし、その両端を放したらバチーンと縮こまることのできるタイプなんです」とし、このような体質だったことでストライドを大きく伸ばすことができ、元に戻るのも速かったとし、「トウカイテイオーは、ストライドの伸びでスピードを稼いだ名馬でした。サンデー系が日本に入ってくる前で言えば、珍しいほど優秀な体質の持ち主でしたよね」と述べている。社台スタリオンステーション事務局の徳武英介はテイオーについて、「天才肌の馬で馬体も完璧過ぎました」と称賛しているものの、生まれてくる産駒は「父と比べて何か物足りない」馬体の産駒が多く、父を超える馬体を持つ産駒を産む配合が見つけられないままテイオーは亡くなってしまったと述べている。 安田隆行は初期のテイオーの印象について、「乗っていると心まで弾んでくるようだ。あれを味わったおかげで、細身の体格からも大物感がにじみ出てくるような気がした」と回想している。一方で、岡部幸雄は初期の印象として「乗り心地が良すぎる……というか、フワフワし過ぎているというのかな。もっと重たい部分が出てくるといいなあと思ったんだ」、田原成貴は「力強さの点で少し物足りない気もしました。全体的な比較で、前躯の素晴らしさに比べると、後躯がちょっと物足りないという印象は残ります」と述べて「前肢はベンツのサスペンションのようだが、後肢は国産のクラウンくらい」と表現し、いずれも「力強さ」という点での不満を表明している。しかし田原はこれに付け加え「それは恐らくテイオー特有の柔らかさから受ける印象なんです。ポルシェにベンツの良さを取り入れたら、ポルシェの良さが失われてしまう。それと同じ事で、僕が感じたのは補うことができない物足りなさだったと思う」との見解を示している。岡部はシンボリルドルフとテイオーの乗り味を比較して、「ルドルフをベンツだとすると、テイオーはアメ車かな」とし、ルドルフの場合は4歳の時にあった無駄なスプリングの柔らかさが古馬になってからは全て削げてスポーツカーのような乗り味になったというものの、テイオーの場合は最後までその無駄な部分が残っていたと評している。
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