路線名の読み方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 18:50 UTC 版)
山手線の読み方は、対義語である山の手と下町からの「やまのてせん」であり、太平洋戦争前も「やまのてせん」と読んでいた。開業時の申請書には表記を「山ノ手線」とする旨が書かれており、開業時表記は「山手線」となったが、読みは「やまのてせん」だった。ところが終戦直後、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) の指示により、鉄道施設や道路標識などにローマ字併記が進められた際、山手線には国鉄部内での通称だった「ヤマテ」につられて「YAMATE=Loop=Line」とローマ字を振ったことがきっかけとなり、その後「やまてせん」という読み方が一般に定着してしまった。 読み方が「やまのてせん」に戻ったのには2つの理由がある。1つは1970年から始まったディスカバー・ジャパンキャンペーンで、駅名や路線名を分かりやすいようにしようとする動きが起こったためである。もう1つは、群馬県の長野原線が大前駅まで延伸開通した際に路線名を「吾妻線(あがつません)」に改称したことである。吾妻線が「あづません」と読み間違えられるのを防ぐため、[要出典]国鉄では全路線の線路名称にふりがなをつけることを決定。山手線には「やまのてせん」というふりがなを振り、吾妻線が大前駅まで開通した1971年3月7日から実施した。国鉄当局が「やまのてせん」を選択して復活させた理由は、線名の由来・発祥からして、「やまのてせん」の方が伝統的に正しいことと、田端駅 - 品川駅で並走する京浜東北線の直通先の根岸線にある山手駅(やまてえき 1964年5月開業)との混同を避ける(京浜東北・根岸線の「山手行き」と勘違いさせない)ためである。これに伴い、その趣旨を徹底させるため、電車に掲出される方向幕の行先表示は、漢字表記は「山手」を「山手線」に、ローマ字表記は「YAMATE」を「YAMANOTE LINE」と改めた。
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