路線仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 04:55 UTC 版)
「いすゞ・ジャーニーQ」の記事における「路線仕様」の解説
1986年のモデルチェンジにより、他の路線車と同様に2扉車とすることが可能になり、事業者の仕様に合わせてトップドア(前扉のみ)・前中扉・前後扉の選択が可能となった。これにより輸送量の少ない路線バスへの採用例が急増した。ローカル路線のみならず、奈良交通及び傘下のエヌシーバスなど、狭隘路を伴う住宅地の路線に投入したケースも多く見られた。また群馬中央バスのように、他にほとんどいすゞ車を導入していないにもかかわらず、少数台数ながらローカル路線用に導入したケースもあるなど、路線バス車両としてはかなり広範囲に導入された。しかし路線バスとして使用する場合は、エンジンカバーの上に運賃箱が設置されることになり、運賃箱の位置が異様に高い位置になるため、特注で背の低い運賃箱を採用した事業者も存在した。またエンジンの振動から運賃箱の故障が多くなるという欠点もあった。 1985年には日野自動車から、マイクロバスをリアエンジン仕様にした上でホイールベースを変更し、トップドア設置を可能にしたレインボーRBが登場した。1980年代後半から1990年代にかけては全国各地でコミュニティバスが開設され、初期のコミュニティバスにはレインボーRBと並んで多く採用されている。 さらに1995年8月には、レインボーRBの後継車種として2扉仕様も可能なリエッセが登場した。それ以降はフロントエンジンに起因する車内騒音の低減が困難ということもあり、急速に販売台数は減少した。このためいすゞ自動車は、1995年(平成7年)にコーチビルダーである北村製作所との提携解消と同時に、路線仕様車については生産を終了した。 MR112D/MR132Dは多くの台数が販売されたものの、フロントエンジン構造を最後まで踏襲した結果、路線バス車両としては多少無理があった面は否めない。しかし、全長7mクラスで2扉仕様という路線バス車両のニーズが高かったことは、ジャーニーQの販売台数・導入事業者の多さのみならず、その後に各メーカーから7mクラスの2扉バスが多く開発・販売されたことからも明らかであり、自家用中心だった小型バス市場に一石を投じた存在といえる。 ジャーニーシリーズは、2003年からは日野自動車とのバス事業統合により日野・リエッセとの統合車種「ジャーニーJ(RX系)が販売されていたが、リエッセと同時に2011年8月をもって生産終了した。これによりいすゞ自動車のラインナップから小型路線バスは姿を消した。 P-MR112D路線仕様・前中扉吾妻観光 P-MR112D路線仕様・前後扉奈良交通 U-MR132D前扉岩手県交通
※この「路線仕様」の解説は、「いすゞ・ジャーニーQ」の解説の一部です。
「路線仕様」を含む「いすゞ・ジャーニーQ」の記事については、「いすゞ・ジャーニーQ」の概要を参照ください。
- 路線仕様のページへのリンク