貯蓄投資バランス・投資回収性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 15:58 UTC 版)
「公共事業」の記事における「貯蓄投資バランス・投資回収性」の解説
飯田泰之は「公共事業とは、本来は社会資本整備である。日本の公共事業は、建前で社会資本・インフラ整備となっているが、リターンの計算は真剣に行われていなかった結果、採算を度外視した道路建設・港湾整備が続いた」と指摘している。 投資回収 「熊しか通らない有料道路なら、国債を刷って建設しても、通行料収入で国債を償還できない。しかし、東名高速道路のように通行量が多い道路で、安価に建設できるなら、国債を刷って建設しても通行量収入で充分返済可能で、政府累積債務は増えず、雇用所得を発生させる」「一方、福祉も国庫収入を発生させないので、国債を刷って福祉財源に充当すれば、熊道同様に政府累積債務を増やしてしまう」「日本の問題は採算道路・鉄道の枯渇にあるので、それ以外の発電所建設等の投資回収可能事業等を行えばよい」 経済効率 1人の失業者に100円の失業保険を渡すより10人の失業者に農林の仕事を与え、賃金として100円x10人に渡し、生産農産物を900円で市場売却したほうが、少ない予算でより多くの人数を救済でき、GDPも増える(民間会社では人件費が売上げを上回る事業はできない)。 貯蓄投資バランス 「貯蓄投資バランス」も参照 景気後退局面においては、有効需要不足によって、財が売れなくなり工場生産設備が遊んでしまうが、このような局面において、銀行などから金銭を借りて、更に生産設備投資をする経営者はいないので、資金実需(資金の借り手)が不足して、貯蓄過剰状態に陥って資金が金融機関で滞留したり、投機に回って貨幣の流通速度が低下して景気が更に悪化する。その場合、貯蓄を減らし、投資・消費を増やさねばならないが、投資回収可能で投資利回りの高い政府投資を行えば、大量の民間貯蓄を国債で吸い上げて投資に繋げて、資金流通速度を速めることができる。
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