財務上の取り決め
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 09:54 UTC 版)
「コーンウォール公領」の記事における「財務上の取り決め」の解説
公領の主な活動は、イギリス国内にある550km2の保有地管理である。ここにはコーンウォールの2%超ほどが含まれる。公領の大半はコーンウォールの外側にあり、その半分がデボン州ダートムーアに、ほかの大きな保有地はヘレフォードシャー、サマセット、そしてシリー諸島の大部分である。この公領は他にも金融投資のポートフォリオを保有している。 公領の管理は1838年のランカスター・コーンウォール公領法 (Duchies of Lancaster and Cornwall (Accounts) Act 1838) によって規定されており、財務省の監督を必要とし、収支報告書を両院に提出する必要がある。 この公領は、無主物 (bona vacantia) の支配権ほか特別な法的権利を有する。所有者のいない財物に対するこの権利はコーンウォールでは英国王室のそれに優越し、遺言や相続人の無いままコーンウォールで死亡した人の財産やコーンウォールに登記されていた解散企業に属する資産は、公領へ移されるようになっている。2007年には、13万ポンド(約3063万円)が無主物の権利から発生し、慈善基金に与えられた。 この公領は、王位の法定推定相続人に収入を提供するという明確な目的で創設された。しかし創設当初からの条件では、公爵位の保有を君主の長男が法定推定相続人である場合に限定している。2013年王位継承法に基づき、2015年以降は性別を問わず君主の長子が法定推定相続人となるが、長女がコーンウォール公の称号を取得できるような変更はされなかった。 ただし、2011年王室助成金法(英語版)の成立により、2012年からはコーンウォール公領の収益はその相続人がコーンウォール公であるか否かに関わらず王位継承者に移されることになった。継承者が未成年の場合、収益の10%が本人に渡って残りの額は英国王室に移される。 コーンウォール公は公領資産(不動産など)の「占有での信託受益権 (Interest in possession trust) 」を有しており、これは純利益を享受するものの全面的な所有権はなく、自らの利益目的で資本資産を売却する権利がないというものである。 1913年、コーンウォール公には公領からの歳入に掛かる課税への責務が無いとの見解を英政府の法務官が出した。しかし、1993年よりチャールズ皇太子は自発的に通常税率で所得税を支払うことに同意している。 この公領は2017-18年に2170万ポンド(約32.1億円)の歳入を生み出した。これは大部分がプリンス・オブ・ウェールズおよびコーンウォール公爵夫人の公的活動や慈善活動のために支払われたほか、ケンブリッジ公爵夫妻やヘンリー王子の公用事務局に支払われた。
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