議論の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:27 UTC 版)
「国際天文学連合による惑星の定義」の記事における「議論の理由」の解説
21世紀初頭の発見まで、天文学者は惑星の公式な定義の必要性を感じていなかった。1930年に冥王星が発見され、太陽系には小惑星や彗星等の数千個の小天体とともに、9つの惑星が存在すると考えられるようになった。この頃、冥王星は水星よりも大きいと考えられていた。 1978年、冥王星の衛星カロンが発見され、この姿が劇的に変わった。カロンの軌道周期の測定によって冥王星の真の質量の計算が初めて可能となり、それまで考えられていたよりずっと小さいことが明らかとなった。冥王星の質量は水星の約25分の1で地球の月よりも小さく、圧倒的に最小の惑星となったが、それでも最大の小惑星であるケレスよりは10倍以上大きかった。 1990年代、少なくとも冥王星ほど遠い軌道に、現在はエッジワース・カイパーベルト天体として知られる天体が発見され始めた。その多くは冥王星と主な軌道要素を共有し、現在は冥王星族と呼ばれている。冥王星は、新しい分類の天体のうち最大のものとみられるようになり、冥王星を惑星と呼ぶのを止める天文学者も現れた。冥王星の偏平で傾いた軌道は太陽系の惑星とはかなり異なるが、他のエッジワース・カイパーベルト天体とはよく一致した。2000年、それがRose Center for Earth and Spaceで報じられると、新しく改修されたニューヨーク市にあるヘイデン・プラネタリウムでは、惑星の展示に冥王星を含めなかった。 大きさと軌道が冥王星と匹敵する少なくとも3つの天体(クワオアー、セドナ、エリス)が発見された2000年から、これら全てを惑星と呼ぶべきか、冥王星を分類し直すべきかどちらかであることが明確になった。冥王星ほどの大きさの惑星は今後もさらに発見され、惑星の数は急速に拡大し始めるであろうことも分かっていた。また、太陽系以外の惑星系の惑星の定義も問題となっていた。2006年、エリスが冥王星よりも若干大きいことが明らかとなり、同じように「惑星」の資格を持つと思われた。
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