警察利権に絡んだ内部犯行説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 01:37 UTC 版)
「警察庁長官狙撃事件」の記事における「警察利権に絡んだ内部犯行説」の解説
一橋文哉(広野伊佐美)が主張している説。前任の城内康光元警察庁長官はオウム事件への積極的捜査を抑えていたが、後任の國松は、オウム事件に対する本格的な調査を行うよう指示した。城内が公安局長時代の1990年に、パチンコ業界からの闇資金が北朝鮮に渡り、その金が社会党に流れていた疑惑が浮上、調査委員会の設置を依頼した自民党の奥田敬和議員に対して、パチンコ業界に多数の警察OBが天下りをしていたことを理由に協力を拒否した結果、昇進を見送られた過去があるとしている。城内はその後、警察庁長官に就任するが、長官時代に警察官の制服変更、ピストルメーカーの変更などの「警察利権」を武器に、刑事部出身の警察官僚を排除して、公安部出身の警察官僚を重用する人事を行ったため、刑事部の反発や警察組織の内部抗争を招く結果となった。その後、事件前に警察庁の城内から、刑事局出身の國松へ変わった。そこでオウムの犯行に見せかけることで、警察の主導権を公安部に引き戻す狙いがあったのではないかと主張した。 一橋は『オウム帝国の正体』において、1990年に城内康光が公安局長だったとしているが、警察庁には公安局なる組織は存在しない。また、1990年当時、城内は実際には警察庁警務局長であり、その警務局(現在の警察庁長官官房)が警備公安警察の運用に携わることはない。また、國松は警察官僚として主に公安畑を歩んでおり、警察庁刑事局長就任以前の1988年には、警視庁公安部長を務めている。その他、一橋は本書の文庫版の104ページにおいて、「発生当初、犯行に使われた銃は、線条痕から38口径のアメリカ・コルト社リボルバー(回転式拳銃)のパイソンで、弾丸は先にギザギザが入った殺傷力の高いホロー・ポイント弾、通称357マグナム弾と推定された」という、意味不明な記述をしている。 結局一橋は『噂の真相』1996年7月号に掲載された「『新潮45』のオウム・ウォッチャー 一橋文哉の盗用常習で発覚した“正体”」において、「ようするに一橋文哉は取材なんてしていなくて、資料や他紙誌の記事をつぎはぎして、あたかも独自取材のように作っているレポートなんじゃないか」として、盗作・捏造疑惑を指摘されることとなった。これに対して一橋は一切抗議していない。[要出典]また城内康光の長男・城内実衆議院議員は「私の後援会副会長は国松元長官」とし、城内康光犯行関与説を一笑に付している。
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