講習コース概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/03 06:28 UTC 版)
救命、悪化防止、苦痛軽減の3要素に基づく応急処置(応急手当)の実技指導が行われる。講習は、半日の「普通救命講習I」「普通救命講習II」と、終日の「上級救命講習」に加え、2011年の上記「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」改訂を受け、「救命入門コース」と「普通救命講習III」が新設された。 救命入門コースは90分の講習で、胸骨圧迫とAEDの使用法を中心とした救命処置が教授される。他の講習は概ね中学生以上を対象としているが、本コースは小学生中高学年(概ね10歳以上)から受講ができる。 普通救命講習Iは3時間の講習で、広く一般市民を対象に、成人への救命処置(心肺蘇生法、AEDを用いた除細動)と、気道異物除去や止血法などの応急手当が教授される。一般的な普通救命講習はこの講習である(赤十字救急法基礎講習と同等)。普通救命講習IIは、医務室、集客施設職員など、一般市民よりも高頻度で救命処置を行なう可能性のある人(一定頻度者)向けのもので、普通救命講習Iの内容に加え、筆記と実技の効果測定を伴う4時間の講習となる。普通救命講習IIIは一般市民を対象とした3時間の講習だが、小児(消防署における「小児」の定義では15歳未満とされる)・乳児・新生児に対する救命処置と応急手当を扱うもので、市民はもちろん保育園や学校教職員、児童館職員、放課後児童クラブ指導者などに向いている。 上級救命講習では、成人や小児・乳児への救命処置や応急手当(普通救命講習IIおよびIIIに相当)に加え、ファーストエイド(三角巾を用いた骨折などの外傷救護法や、熱中症・やけどなどへの対応、事故等での頸椎損傷が疑われる傷病者への頭部保持、その他)、搬送法などが加わり、実技と筆記の効果測定を伴う8時間の講習となる(こちらが赤十字救急法救急員養成講習と同等となる)。 指導内容は、上記「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」で規定されており、医学的根拠はアメリカ心臓協会および国際蘇生連絡協議会等による国際ガイドラインを元に、一般社団法人日本蘇生協議会が策定したJRC蘇生ガイドラインに準拠している。なお、5年に一度の前記ガイドライン改訂に合わせ、救命講習の指導内容も最新の知見を反映したものに改訂され続けている。
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