誤った情報と混乱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:59 UTC 版)
イベルメクチンの共同発明者であるウィリアム・キャンベルが、COVID-19治療薬としてイベルメクチンを推奨しているという捏造された引用文がTwitterで拡散された。キャンベルは、「ソーシャルメディア上で私に起因する発言を完全に軽蔑し、否定する」と述べ、私の専門分野はウイルス学ではないので、そのような方法でコメントすることは決してないと付け加えた。 動物用イベルメクチンの在庫が減少し始め、業者は販売を制限し、価格を上げる必要に迫られた。米国では、馬用駆虫剤のペーストを自分用に使用する人が増え供給が不足し始めたため、一部の業者は、顧客に自分と馬が一緒に写っている写真の提示を要求した。 2021年8月、ぎょう虫駆除薬「パモキサン錠」について、「イベルメクチンと同じ成分でありコロナウイルスに効く」というデマが広がった。製造発売元である佐藤製薬は、効能・効果以外の有効性及び安全性は認められていないとし、適用外の販売や使用をしないよう呼びかけている。 2021年8月13日、尾崎治夫東京都医師会会長は、記者会見でイベルメクチンの有効性を示唆し、「使用許可を認めてもいい段階だと思う」と述べた。この会見の後に感染者が減少したため、「日本はイベルメクチンの使用でコロナを一掃した」というデマが広がった。大手メディアはファクトチェックに追われ、「日本ではイベルメクチンをCOVID-19治療に使用することは承認されていない。イベルメクチンを推奨した医師は、東京都医師会(TMA)の会長であったが、TMAは政府機関ではないため、そのような命令を下す権限はない」とする記事を掲載した。 2022年1月31日、興和は、北里大学との共同研究(非臨床試験)にて、イベルメクチンの「オミクロン株」への抗ウイルス効果を確認したというプレスリリースを出した。非臨床試験は、試験管の実験か動物実験か詳細は明らかではなく、‘’第3相臨床試験で使用している治験薬「イベルメクチン」につきまして…‘’との文章から、ロイター通信は「第3相臨床試験に成功」と誤報し、数時間後に訂正した。しかし訂正後も、誤報はソーシャルメディア上で拡散された。
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