誤った評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 21:01 UTC 版)
ブリガムヤング大学のジム・ジェンセンによりコロラド州ドライメサ採石場で発見された化石は元々史上最大の恐竜のものであると考えられた。ジェンセンは非公式にこれを推定的に新種の恐竜“ウルトラサウルス”と呼び、科学文書に裸名(実質的な科学的記述の無い非公式な名前)として使われたり、報道に幅広く使用された。 1983年に金鳳均は新たな恐竜の属を代表するものとして別の標本に対してUltrasaurus tabriensisと名づけ、論文を執筆し発表した。自身の標本がジェンセンの恐竜と比較して等しく巨大なものであると信じてのことであった。しかし、金の評価は誤ったものであった。彼の恐竜は彼が思ったよりはるかに小さいものであり、彼は上腕骨の一部を尺骨と見誤っていた。しかし金がウルトラサウルスの名を初めに発表したため、この名は公式にはジェンセンの巨大な標本に対してではなく、韓国の小さな竜脚類のものとして適用された。 ジェンセンは1985年に自身のオリジナルの発見に関して記述した論文を発表した。しかし既にウルトラサウルスの名は使用されていた(“先取されていた”)ので、彼の発見物はウルトラサウロスに改名された。しかしジェンセンもまた間違いを犯していた。彼の発見物がキメラであることがわかった、つまり化石の集合は(すでに命名済みの)2種の異なる恐竜の種に由来していたのであった。それゆえ、彼の新名称ウルトラサウロスは現在では公式にはスーパーサウルスとして知られる恐竜の対立名称(junior synonym)となっている。 金のウルトラサウルスは現在では疑問名(nomen dubium)である。この標本は竜脚類の特定の科へと公式に適用する特徴が十分に分かっていない。この標本は既知の属や種のメンバーのものである可能性もあり、ウルトラサウルスもまた対立名称である可能性がある。
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