語用論
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リーチは1970年代、80年代にオースティン、サール、グライスといった言語哲学者たちから言語学が多大な影響を受けたことによって、その下位領域として新たに出現した語用論の発展に寄与した。この分野での彼の主著に、Principles of Pragmatics (1983、『語用論』)がある。彼はグライス(1975)の協調の原理(Cooperative principle, CP)とそれを構成する量、質、関係、様態の原則のモデルに従って、調節的原理を基にした語用論の一般的な説明が成り立つことを主張した。この本で最も大きな影響力を持ったのは、ポライトネスの原理(Principle of Politeness)を扱った部分である。この原理はグライスのCPと同様、複数の原則群から構成されている。リーチが区別したポライトネスの原則群とは、気配りの原則(Tact Maxim)、寛大性の原則(Generosity Maxim)、是認の原則(Approbation Maxim)、謙遜の原則(Modesty Maxim)、合意の原則(Agreement Maxim)、共感の原則(Sympathy Maxim)である。このようにポライトネスをグライス流に扱ったことは大きな批判を浴びた。例えば、関連性理論がグライスの4原則のうち関係の原則(関連性の原理)だけを生き残らせたことは、より少ない数に還元する「還元主義者」だと批判されたが、リーチの場合はグライスのモデルに新たな原則を付け加えたとして「拡張主義者」とする批判があった。リーチは、必要以上に多くの仮定を行うべきでないとする「オッカムの剃刀」の格言を無視して、新しい原則の追加を際限なく行ったと批判された。また、状況によって変化することのない「絶対的ポライトネス」を彼が仮定したことにおいても批判を受けた。ほとんどのポライトネス論者は、ポライトネスは文脈から離れて特定することはできないと主張している。リーチは「ポライトネス:東西の分離はあるか?」(2007)という論文でこれらの批判に対処して、彼のポライトネスモデルの改訂版を提示している。
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語用論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 23:02 UTC 版)
中間言語語用論において、学習者の母語における語用論的特徴が、本来の第二言語には存在しないにもかかわらず、学習者による第二言語の理解・発話の過程で出現することを語用論的転移(英: pragmatic transfer)という。負の転移・語用論的智識の欠如によってコミュニケーションが阻害されることを、語用論的誤り(英: pragmatic failure)と言う。
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