語用論の関連分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 07:22 UTC 版)
一部の形式意味論では文を越えた現象を扱うこともあり、意味論と語用論の境界はそれほど明確ではない。また、認知言語学の立場では、文脈を離れた言語の命題的意味を切り離すことはできないと考えることが多い。また、表現の背後にある意図を読み取ることは、コンピュータによる自然言語理解にとっても究極的な課題の一つである。 また、中間言語語用論というものも存在する。中間言語とは第2言語を習得中の未完成の状態を指す。この第2言語の感覚で語用論を使用するとなると、言語能力には長けているが、その国の文化背景や言語のルールを知らない為、(例えば、「バッテリーが上がった」は切れたという意味を指すが、意味論では文字通り上に上がると解釈できるため、外国人日本語学習者には感覚のズレが生じる可能性が高い。)意図する内容が違う形で伝達されるものを指す。例えば、日本語で、「~ください」は場合によっては命令語になる可能性が高いが、敬語が使用されている為、配慮で使ったつもりがかえって命令形に聞こえてしまい誤解を伴う場合を指す。これを有害な中間言語語用論「有害なプラグマティック・トランスファー」と呼ぶ。これは生駒・志村(1993年論文)で唱えられた名称である。
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