語源と初期の語法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 04:04 UTC 版)
心理学(羅:Psychologia)という術語の最初の使用は、1590年にマールブルクで『人間学的心理学』(羅:Psychologia hoc est de hominis perfectione, anima, ortu)を発表したドイツのスコラ哲学者ルドルフ・ゲッケル(1547年-1628年、ラテン語化されたルドルフス・ゴクレニウスの名でよく知られる)にしばしば帰される。しかし、この述語はさらに60年以上前にクロアチアの人文主義者マルコ・マルリッチ(1450年-1524年)のラテン語の論文の題名『人間性的理性心理学』(羅:Psichiologia de ratione animae humanae)で用いられている。この論文自体は現存していないが、その題名はマルリッチより若い同時代人フラニョ・ボジチェヴィッチ・ナタリスの『スプリトのマルコ・マルリッチの生涯』(羅:Vita Marci Maruli Spalatensis, Krstić, 1964)に含まれるマルリッチの著作一覧に現れる。とはいえ当然のことながら、これがまさしく最初の使用というわけではない。ただ、目下のところ文献で証明できる限りでは最も早い使用ではある。 しかし心理学という術語が一般的となったのは、ドイツの観念論哲学者クリスティアン・ヴォルフが著書『経験的心理学』(1732年)と『合理的心理学』(1734年)で用いて以降である。この、経験的心理学と合理的心理学という区別は、ドゥニ・ディドロ(1713年-1780年)に『百科全書』(1751年-1784年)に取り上げられ、フランスでフランソワ=ピエール=ゴンティエ・メーヌ・ド・ビランによって広められた。イングランドでは、「心理学」という術語は19世紀半ばには、特にウィリアム・ハミルトン卿(1788年-1856年)の著作によって「心の哲学」を上回って一般的となった(see Danziger, 1997, chap. 3)。
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