話者の名前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:40 UTC 版)
「日本語の一人称代名詞」の記事における「話者の名前」の解説
主に未成年の女性や幼児が使っている。使い方は、自分の下の名前(または名字)をそのまま呼んだり、言いやすくして省略したり(例:あやか→あや)、自分の名前に「ちゃん」や「くん」や「たん」をつけたりするなど種類は様々である。また、成人の男女が幼児と会話する時に使われる事がある(「○○ちゃん(自分の名前)と遊ぼうか?」など)。水木しげるは生前、自分のことを「水木サン」と呼んだが、老人としては例外的である。 外国語の場合、英語を含めて欧米の言語では動詞の活用が人称変化したり、人称代名詞の格変化があるといった文法上(文法カテゴリー)の理由から、自分の名前で呼ぶ事は一般的ではないが、幼児(セサミストリートに登場するモンスターの一人であるエルモなど)では見られることがある。一方、東アジアでは特にインドネシア語、ベトナム語の話者によって自分のことを名前で呼ぶことが行われている。かつての中国では、自分の名前を一人称として使用することは相手に対する臣従の意を示していた。たとえば諸葛亮(諸葛孔明)の出師の表では、皇帝にたてまつる文章であるので「臣亮もうす」という書き出しになっており、四庫全書総目提要は全て皇帝への上奏文であるから「臣ら謹んで案ずるに…編纂官、臣○○。臣☓☓。臣△△…」と自らの名(もしくは姓名)の前に「臣」を付けて名乗っている。かつての日本でもその影響で天皇に対する正式の自称は「臣なにがし」であった(戦後の例では吉田茂が1950年代に「臣茂」と言ったことがある)。
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