試験飛行と運用歴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 06:47 UTC 版)
「XV-9 (航空機)」の記事における「試験飛行と運用歴」の解説
XV-9 ヘリコプターは、1964年11月5日に最初に飛行した。 カリフォルニア州のカルバーシティ (Culver City) のヒューズ社施設での試験飛行の後、XV-9A は更なる飛行試験のためにエドワーズ空軍基地に分解の上で陸路輸送された。 これはヘリコプター特有の航続力と燃費の悪さが回送飛行(フェリー) に適さないという事情のほかに、ただの1機のみの製造数でしかない、貴重な試験機〔 シリアル番号:64-15107 〕を失う危険を冒すことを避けるためであった。 第2段階の試験飛行先であるエドワーズ空軍基地での試験飛行は満足のいくものであったが、次第にチップジェット方式の回転翼機の問題点が明らかになってきた。 XV-9A は回転翼の羽根から噴出される、高圧・高温ガスの排出音が大変に騒がしかった。 ( マクドネル XV-1 (航空機)#運用歴 の騒音の記載も参考にされたい ) 加えて変速機とクラッチを介して回転翼を軸馬力で駆動させる通常のヘリコプターに較べて燃料消費量が多かったが、ヒューズ社はホットサイクル機構が、今後の回転翼航空機の設計に関して広く使われると確信して疑わなかった。 しかしながら結局、同社は上記の騒音と劣悪な燃費の問題を緩和することができず、少なくともヒューズ社による圧力ジェットシステム ( pressure-jet systems ) の開発はそれ以上の段階には進まなかった。 アメリカ陸軍による実用性の審査は 1965年8月に完了し、XV-9A ヘリコプターはアメリカ陸軍の制式記号を解かれ、「モデル385」としてヒューズ社に返還された。 それはアメリカ陸軍が XV-9 の設計を今後とも必要としないことを意味し、引き続き実用機の開発製造に関して、アメリカ陸軍とヒューズ・ヘリコプターズ社が契約する可能性が潰えたことを意味した。
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