診断の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 18:11 UTC 版)
「ポルノグラフィー依存症」の記事における「診断の現状」の解説
現在のDSM-5は行動嗜癖に関する新たなセクションが設けられている。しかし含まれる疾患はギャンブル依存症のみである。他の行動嗜癖としては、インターネットギャンブル依存が更なる研究を要するとして挙げられている。精神医学者は他の行動障害をこれらに含めない理由として研究の不足を指摘している。しかしながら、2015、神経科学/神経心理学におけるポルノグラフィーユーザーの研究の広範なレビューでは、インターネットポルノグラフィー依存をサブタイプとしたインターネット依存をDSMに含めるべきだとしている。 ポルノ依存はDSM-5の診断には存在しない。"Viewing online pornography"は文字通りDSM-5に記載されているが、それは精神疾患とはされていない。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}DSM-5が執筆された当時、専門家らは提起された診断上の依存を性行動過剰障害と呼称した。それはまた、ポルノグラフィーサをサブタイプとして含んでいた。しかし最終的にレビューアーらは性行動過剰障害またはそのサブタイプを2013年版に含めるには証拠が十分でないとした。 —Kirsten Weir、 ポルノグラフィーは依存的か? ポルノグラフィーはDSM-5内の性的倒錯の類型として議論されており、個別の診断名としては含まれていない。DSM-5はポルノグラフィーをメンタルヘルスの問題とはしていない。 2011年、American Society of Addiction Medicineが依存(Addiction)の定義として初めて、薬物依存だけでなく、全ての種類の外的応報の病的追求(Pathological pursuit of all kinds of external rewards)が含まれるとした。しかしながら、この定義は明白にポルノ依存に触れてはおらず、代わりに"Sexual behavior addiction"(性的行動依存)というフレーズが使われている。 ポルノグラフィー依存の位置づけは、取り分け小さな研究者集団によって、単なる強迫性を超えて依存的疾患の一つとされている。しかしながら彼らの著述はピアレビューの中で厳しい状況にさらされている。 DSM-5の姓分野に関わった経験のあるDr. Richard Kruegerは、ポルノ依存が注目を集め疾患として認知されつつあることに若干の疑念があると発言している。彼はまた、アルコール等の依存患者が摂取者全体に対してマイノリティであることを挙げ、インターネットポルノにも同様のことが言えるのであれば可能性はあるが、まだ疾患とするには学術的な実証が不足していると話す。
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