設定上の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 06:17 UTC 版)
「ニビル (仮説上の惑星)」の記事における「設定上の特徴」の解説
ゼカリアの著書によるとニビルは地球の4-5倍の大きさと20-25倍の質量、約100倍の密度を持ち、現在、知られている太陽系の惑星から大きく傾いた楕円軌道を約3,600年で公転していると設定されている。彗星に非常に似た軌道を持ち、軌道長半径は約235 AUで、近日点は小惑星帯付近にあるが、遠日点は太陽からはるか遠くに位置しているとされている。仮にニビルが実在し、それだけの質量を持っているとしたらこれまでの観測で発見される可能性は十分にあるはずだが、自由浮遊惑星と同じく赤外線などでしか観測できない可能性を考慮しても、2009年に打ち上げられた赤外線観測衛星、広域赤外線探査衛星 (WISE) の観測によると太陽から26,000 AU以内に木星以外に木星質量以上の天体がないことを確認しており、10,000 AU以内には土星質量(地球の95倍)以上の天体も発見されなかった。これらの観測データはニビルまたはニビルに類似する天体が現実には存在しないことを示している。なお、ゼカリアの著書にはニビルの質量、密度、軌道などの根拠となる科学的データは一切示されておらず、初歩的な天体の摂動論とすら矛盾する。 終末論やドゥームズデー・カルトでは基本的にゼカリアの設定に加えて、地球接近時に人類や地球を滅亡させるといった設定が加えられる。この場合は比較的近い将来にニビルが地球に接近するといった人々の恐怖を煽る形式の物語や、陰謀論などと絡めて物語が創作されることが多い。実際に巨大な惑星が地球に接近しているのであれば様々な天文学的な事象が観測されるはずであるが、実際にそういった事象は起きていない。こういった終末論に対し、NASAは「言われているような話の根拠となる事実はない」、「その惑星があるならば、とっくの昔に発見されている」とニビルの存在については人類滅亡説を金儲けに利用する為に考えられた嘘だと全面的に否定している。
※この「設定上の特徴」の解説は、「ニビル (仮説上の惑星)」の解説の一部です。
「設定上の特徴」を含む「ニビル (仮説上の惑星)」の記事については、「ニビル (仮説上の惑星)」の概要を参照ください。
- 設定上の特徴のページへのリンク