設定とキャラクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 06:47 UTC 版)
「アステリックス」の記事における「設定とキャラクター」の解説
身体は小さいが賢く機敏で如才のない主人公アステリックスと、ちょっとのろまだが心根の優しい怪力男のオベリックス達は、紀元前50年頃古代ヨーロッパのガリア北西部の架空の小さな村に住んでいる。村は、ローマ軍とユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)によって、ガリアのほぼほとんどの村々が征服されていった中で、まだその独立を維持し、ガリアの拠点を守っている。 村の住民たちは、ドルイドの僧パノラミクスにより調合された魔法の飲み物を飲むと超人的な力を発揮することができる。村は一方は大西洋に面し、それ以外はローマに屈した村々に囲まれており、ローマの侵略に常に備えていなければならないという緊張状態に置かれている。 多くのアステリックスのシリーズ本で繰り返される筋書きは、ローマ兵がこの村人たちが秘密の薬を飲もうとするのを阻止しようとしたり、その飲み物の調合法を盗み出そうとしたりといったものが多い。大概はアステリックスの主人公と仲間たちによって他愛もなく退けられてしまう。 アステリックスのコミックに溢れんばかりのユーモアは、典型的なフランス風の一種カリカチュアで、駄洒落が多く、現代のヨーロッパ人やフランスに特有のセンスによるものである。フランス的なしゃれや駄洒落は、外国語にはそのニュアンスを正確に翻訳するにはかなり困難があり、フランス語で読まない限り、作者たちの意図したものを正しく楽しむのは難しい。それでいくつかの翻訳では、翻訳に際してその国のジョークを挿入するといった苦肉の策を労している。たとえば、イタリア語の翻訳では、20世紀のローマの俗語を加えるなどしている。最近の新刊では、どこの国でも通用しそうなユーモアを盛り込むような配慮が、台詞でもコミックの描写でもなされるようになってきた。 画一的ですべてがお約束どおりのようなフランスの熱烈な愛国主義のスタイルにもかかわらず、このシリーズはヨーロッパのほとんどの国やフランス語圏の国々から好意的に受け止められている。ユデルゾの愛国主義の雛形は、イタリア由来のもので、ゴッシニイのそれは、ウクライナ・ポーランド系のもので、これらの混合が、さまざまな国の文化の中でもこのコミックが受け入れられる素地となっているかもしれない。
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