記号主義 vs. コネクショニズム の論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/27 05:26 UTC 版)
「ACT-R」の記事における「記号主義 vs. コネクショニズム の論争」の解説
認知科学において、「記号主義」的アプローチと「コネクショニズム」的アプローチがあり、ACT-R は一般に「記号主義」的であると見なされている。その実体(チャンクとプロダクション)は離散的で、その操作は統語論的であり、その表現の内容を意味論的に参照せず、計算に必要な属性だけを参照する。そのことは、チャンクのスロットとバッファの属性がプロダクションと一致する際に標準記号変数として機能することからも明らかである。 しかし、ACT-R 開発者を中心とする人々は ACT-R を脳の構成とその上で如何にして精神と呼ばれるものが生み出されるかを示すための汎用フレームワークであるとしている。しかし認知への記号的アプローチは精神を説明することを目標としているので、これはACT-Rを記号システムに分類することへの反論にはなっていない。 ACT-Rは脳の機能を解明しようとしているので記号システムではないという誤解は、2つの点で不正確である。第一に精神は脳の機能であるので、記号的であれそれ以外であれ、認知の計算モデルは全て脳機能を何らかの観点で特徴付けなければならない。第二に重要な一般化を行えるのは認知レベルのみなので、コネクショニズムのアプローチも含めあらゆるそういったアプローチは神経レベルではなく認知レベルで精神を特徴づけようとする。 さらなる誤解が生まれる背景には、ACT-Rのある属性の持つ連想的性質があり、例えばチャンクが互いに活性化しあったり、チャンクとプロダクションがそれらの選択に関連する量的属性を持っている点がある。それら属性のユニット選択、さらには計算における役割が何であれ、記号的であることの基本的性質には反しない。
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