計画中のミッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 01:48 UTC 版)
「ガニメデ (衛星)」の記事における「計画中のミッション」の解説
Europa Jupiter System Mission はNASAとESAの共同ミッションとして2020年の打ち上げが計画されていた探査ミッションであり、ガニメデを含む多くの木星の衛星を探査する計画とされた。2009年2月に ESA と NASA は EJSM の計画の優先度をタイタン・サターン・システム・ミッションより上に位置づけた。EJSM は NASA が主導するエウロパ周回機の Jupiter Europa Orbiter と、ESA が主導するガニメデ周回機の Jupiter Ganymede Orbiter からなり、日本のJAXAが主導する Jupiter Magnetospheric Orbiter (木星磁気圏オービター) が加わる可能性もあった。ESA が担当する部分は ESA の他の計画と資金的に競合していた。しかし2012年5月2日に ESA の主導する部分は JUICE と名前が変更されて独立し、ESA の Cosmic Vision 科学プログラムにおいて採用され、アリアン5ロケットによる2022年の打ち上げ枠を得ることとなった。JUICE はガニメデを周回する軌道に入り、またそれ以前にはカリストとエウロパを複数回フライバイして探査することが計画されている。 ロシア宇宙科学研究所は現在、宇宙生物学を主眼においた「ガニメデ・ランダー」のミッション評価を行っている。ガニメデ・ランダーは JUICE との提携ミッションになるとされている。もしこの計画が採択された場合2024年の打ち上げが予定されているが、このスケジュールは JUICE に合わせて改定される可能性がある。 ジュノーの探査機を元にしたガニメデ周回機が、アメリカ合衆国の Planetary Science Decadal Survey の中で2010年に提案された。搭載する可能性のある機器は、中分解能のカメラ、フラックスゲート磁力計、可視光/近赤外の画像分光計、レーザー高度計、低/高エネルギープラズマパッケージ、イオンと中性粒子の質量分析計、紫外線画像分光計、電波とプラズマ波センサー、狭角カメラ、地下レーダーである。 その他に、計画されていたが中止になったミッションとして、Jupiter Icy Moons Orbiter がある。これもガニメデを周回する軌道に入ることが予定されていた探査ミッションである。この計画では探査機の動力源として、(原子力電池ではなく) 小型の原子炉を搭載し、推進にはイオンエンジンを用いることが予定されていた。そして過去の探査よりも遥かに詳細にガニメデを探査するとされていた。しかし2005年に予算が削除され、計画は中止となっている。その他の過去の計画には、Grandeur of Ganymede というものもあった。
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