計画上の制約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 14:09 UTC 版)
構内作業計画を作成する上では、以下のような条件を満たさなければならない。 本線ダイヤ 構内作業計画は、本線の列車ダイヤを遵守できるように作成しなければならない。駅においては着発時刻と着発番線、車両基地においては入区時刻と出区時刻を遵守しなければならない。構内作業計画の作成が不可能な場合は本線の列車ダイヤを変更することになるが、他の計画へ波及する影響が大きいためなるべく避ける必要がある。 番線の制約 駅や車両基地の各番線には有効長があり、有効長を超える編成を収容することはできない。また電化の有無や信号設備の問題などで入線できる編成の種類に制約がある場合もある。増解結を行う場合には、行える番線が制約されていることもある。車両基地で作業を行う場合、作業に必要な設備の関係から、作業と編成の組み合わせに応じて作業を施行できる番線は限定されている。 進路の制約 入換は、現実に存在する進路を使わなければならない。線路としては実在していても、連動装置上で進路として取り扱われていなければ、信号設備上入換することができない場合もある。 番線・進路の競合制約 異なる車両が同じ番線を使う場合、あるいは互いに競合する進路を使う場合には、その使用する時刻の間に一定の時隔が必要である。これは安全上必要な制約である。 移動時間の制約 入換を行うにはそれに応じた所要時間が必要である。本線の列車ダイヤを作成する際には駅間の基準運転時分を基にするが、入換の所要時間に関してはそこまで制約が厳しくないことが多いので、一定の値を採用することが多い。また、運転士が運転台に乗り込んでから車両を起動するのに必要な時間や、進行方向が逆転する場合に反対側の運転台へ移動するための時間を見込む必要がある。 作業の実施 列車ダイヤで定められた増解結が行われなければ列車ダイヤ通りの運行を行うことができない。また、鉄道車両の検査は法定のものであるため、一定の走行距離や走行時間を経過するごとに実施する必要があり、これを満たしていなければ走行させることができない。 作業員の制約 増解結や検査・清掃などを行う際には、その作業を行える作業員が必要である。作業員により実施できる作業は決まっており、勤務時間や休憩時間などの制約がある。また、入換を構内入換専門の運転士が担当することがあり、この場合は構内運転士のスケジュールも考慮する必要がある。一方で本線の運転士が入換を担当する場合は本線の乗務員運用を考慮する必要がある。 作業時間の制約 増解結や検査・清掃などの作業を行うために必要となる所要時間を遵守する必要がある。
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