観測所付近の鉄道電化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 14:13 UTC 版)
「気象庁地磁気観測所」の記事における「観測所付近の鉄道電化」の解説
1928年、鹿島参宮鉄道鹿島線が直流電化が前提という制約のため電化計画を断念した。また、翌年に開業した水戸電気鉄道は、電気鉄道の認可が下りず断念、気動車(ガソリンカー)と蒸気機関車での運行となるなど、柿岡においても鉄道電化への支障が生じ始めていた。 1949年、日本国有鉄道(国鉄→現・JR東日本)常磐線が取手まで直流電化されたが、取手以北の電化については当観測所に与える影響もありしばらくは進展のない状態であった。観測所の移転計画も検討されたものの、同一地点での連続観測に意義があることや、地磁気への影響の少ない交流電化が1955年から仙山線で試験され、実用化とその優位性の目途がたったため、移転は見送られ、1961年に取手 - 勝田間を交流電化とし、取手 - 藤代間にデッドセクションが設けられた。引き続き1967年の同水戸線の全線電化でも交流電化とし、小山 - 小田林間にデッドセクションが設けられた。また首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスでは、2005年の開業当初から守谷駅以北の区間を交流電化とした。 このほか、観測所の30 km圏内にある関東鉄道常総線・竜ヶ崎線と鹿島臨海鉄道大洗鹿島線は設備費用の問題等から非電化のままとなっており、筑波山ケーブルカーは駅構内(交流電化)を除いて電化設備を省き、車内電源を蓄電池でまかなう方式を採用している。なお、本件については「交流電化」も参照のこと。 なお、女満別出張所はJR北海道石北本線沿線となるがこちらは非電化。鹿屋出張所はかつて近隣を走っていた大隅線(廃線)は非電化で、現在の最寄駅がJR九州日南線の志布志駅・日豊本線の国分駅もしくは都城駅で、前者が非電化で後者が交流電化となっている上に3駅とも30 km以上離れているため観測への影響は小さい。また父島観測点は小笠原諸島に位置するため付近に鉄道はない。 一方、千葉県君津市の鹿野山で当観測所同様に地磁気観測を行う国土地理院鹿野山測地観測所が存在する。こちらでは付近のJR東日本内房線(当時・国鉄房総西線)が1969年に直流電化されたが、対策として通電区間を数キロメートル単位に細分化させ、それぞれの区間に1変電所を設置した上で絶縁する方式が採用された。茨城県内でも2005年に廃止された日立電鉄線は、当観測所から最短でも45 km以上離れてはいたが、同様の方式による直流電化を採用していた。
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