観測方法と注意点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 13:59 UTC 版)
太陽光は光量が大きく有害な紫外線なども含まれるため、部分食や金環食のように太陽の光球が完全に隠されない日食を肉眼で直接観測すると日食網膜症を引き起こし、網膜のやけどや後遺症、ひどい場合には失明を引き起こすことがあるため一定の性能を満たした観測機器が必要となる。 日食観察グラス(日食グラス)による観測 - 日食を日食観察グラス(日食グラス)で観測する場合、一旦太陽に背を向けてグラスを目に当ててから太陽に向かって振り向くという動作をしなければならない。日食観察グラスの品質や性能についても留意が必要であり、透過率は可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下とされ(いずれも目安)、室内の蛍光灯を見てかすかに確認できる程度の見え方であり、LEDライトなどの強い光にかざしたときにひび割れや穴等の損傷が無いものであることが必要となる。20世紀末頃まで一般に用いられてきた、すすを付着させたガラスや通常市販されている黒色の下敷き、カラーネガフィルムによる遮光では不十分である。また、上記のような適切な専用機器を使って正しい観測方法を行ったとしても、時間的な間隔を置かずに継続して観測することによって日食網膜症を引き起こすこともあり、1分観測するごとに2〜3分程度中断して目を休ませるべきだとされており、市販されている日食グラスにもその旨の警告がなされている。 減光フィルターを装着した天体望遠鏡・双眼鏡による観測 太陽投影板での観測 - 専用の機器がない場合でも、紙や薄い板などに針穴すなわちピンホールを開け、そこに日光を通して壁やスクリーンなどに投影すれば、欠けた太陽の形が安全に観測できる(右中央の写真)。 太陽望遠鏡による観測 溶接用の遮光面で観測する人。日食の観測にはこのような強力な遮光が必要 小さな穴を通した影は日食の形になる メディアを再生する 木漏れ日も太陽像を呈する
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