裸参りとは? わかりやすく解説

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はだか‐まいり〔‐まゐり〕【裸参り】

読み方:はだかまいり

寒中裸体になって社寺参詣すること。《 冬》


はだかまいり 【裸参り】

日本で、寒中などに裸で神仏参詣すること。禊の意味がある。→ 禊

裸参り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 06:04 UTC 版)

古くより伝わる仙台の大崎八幡宮松焚祭の裸参り

裸参り(はだかまいり)とは、(又は褌)に草履(又は草鞋)など軽微なものを身に着けに近い格好で神社などにお参りする年中行事のことである。現在はお参り先の多くが神社だが、かつてはお寺など神社以外の場所であったことも少なくない。

岩手県紫波町(旧志和町)志和神社 裸参り-戦前

裸参りと裸祭り

裸参りと裸祭りはよく混同され使われることが多いが、その境界線ははっきりしていない。 裸参りは12月中旬から1月中旬までの年神様をお迎えする年中行事に関連し実施されている伝統行事であることが多く、特に宮城県では1月14日あたりに集中している。                               

小正月に行われるどんと祭や牛越祭の裸参り・裸祭りは東日本に多く、夏祭り・秋祭りに裸祭りが行われるのは西日本と太平洋側の県に多いという地域的な棲み分けが見られる。[1]       宮城県内では、大崎八幡宮のどんと祭で行われる裸参りが他地域にも広がった。[1]   

裸参りの呼称

裸参りは、年代により地域により様々な呼び方で表現されてきた。[2]

仙台天賞酒造の裸参り-1941
  • あかつき参り
  • 暁まいり(ex.福島県信夫山暁まいり)
  • 暁詣(もう)で
  • 寒行者
  • 寒念仏
  • 寒大神まゐり
  • 寒念仏裸まゐり
  • 寒詣で
  • 寒垢離(かんごり)
  • 寒大神まゐり
  • 寒(かん)参り
  • 神佛(仏)裸参り
  • 白衣詣で
  • 薄衣(うすぎ)參り
  • 跣(はだし)まいり
  • 跣足(はだし)参り
  • はだし参り
  • 裸体詣り
  • 裸詣で
  • はだか参り
  • 裸参り

東北各地の裸参り[3]

括弧内に開催日を示す。

青森県

  • 弘前市鬼沢字菖蒲沢鬼神社(1/25)
  • 五所川原市飯詰(12/31)
  • 五所川原市の前田野目(1/1)
  • 深浦町岩崎地区(12/30)
  • 五所川原市梅田地区(12/30)
  • 平川市新山地区(1/1)
  • 田舎館村八反田地区(1/1)
  • 南津軽郡藤崎町常盤の常盤八幡宮
  • 西津軽郡鯵ヶ沢町舞戸の正八幡宮
  • 西津軽郡深浦町岩崎(新暦12/30)

秋田県

岩手県

  • 盛岡市【仙北虚空蔵堂(1/12),材木町酒買地蔵(1/11),北山の教浄寺(1/14),盛岡八幡宮(1/15),夕顔瀬町浅草観世音(1/18),桜山神社(1/26)】
  • 紫波町志和八幡宮五元日祭(1/5)
  • 八幡平市西根町平笠女裸参り(1/8)
  • 雫石町三社座神社〜永昌寺(1/第3日曜)
  • 遠野市小友町巌龍(いわたき)神社(2/28)
  • 二戸市似鳥八幡神社サイトギ(旧暦1/6)
  • 二戸市石切所呑香稲荷神社(1/2)
  • 花巻温泉稲荷神社(1/1)
  • 遠野市小友町(2/24)
  • 釜石市八雲神社(1/20)
  • 西和賀町湯之沢『長松垢離とり(ながまつこりとり)』裸まつり(旧暦12/12)
  • 宮古市藤原比古神社(1/14)
  • 宮古市横山八幡宮(1月15日)
蘇民祭
  • 奥州市黒岩寺蘇民祭(旧暦正月7日~8日)
  • 奥州市江刺伊手熊野神社蘇民祭(1月第3土曜日)
  • 平泉町毛越寺蘇民祭(1/20 二十夜祭)
  • 花巻市矢沢胡四王神社(1/2)
  • 平泉町平泉達谷窟毘沙門堂鬼儺會(たっこくのいわやびしゃもんどうおにばらえ)(1/2-3)
  • 一関市大東町興田神社蘇民祭(1月第2日曜日)
  • 金ケ崎町おらが村の永岡蘇民祭(1月第4日曜日)
  • 花巻市石鳥谷町光勝寺五大尊蘇民祭(旧正月6-7日)
  • 奥州市水沢区鎮守府八幡宮加勢蘇民祭(旧正月1月8日)
  • 一関市藤沢町長徳寺蘇民祭(3月第1日曜日)
  • 花巻市大迫町早池峰神社蘇民祭(3/17)

山形県

  • 尾花沢市延沢三日町愛宕神社(1/12)
  • 酒田市飛鳥神社(1/5)
  • 東田川郡庄内町千河原八幡神社「やや祭り」(1月15日に近い日曜日)
  • 最上町お柴灯まつり(1/15の小正月近くの土曜日)
  • 余目市千川原八幡神社(やや祭り)

福島県

  • 双葉郡浪江町浪江神社(旧1/8:現在休止中)
  • 柳津町福満虚空藏菩薩圓藏寺菊光堂 七日堂裸参り(1/7)

宮城県

  • 仙台市青葉区大崎八幡宮(1/14、仙台裸参り
  • 仙台市青葉区青葉神社(1/14)
  • 仙台市青葉区東照宮(1/14)
  • 仙台市青葉区櫻岡大神宮(1/14)
  • 仙台市若林区陸奥国分寺(1/14)
  • 仙台市太白区蛸薬師舞台神社(1/14)
  • 仙台市太白区多賀神社(1/14)
  • 仙台市泉区加茂神社(1/14)
  • 塩釜市塩釜神社(1/14)
  • 岩沼市竹駒神社(1/14)
  • 石巻市羽黒山鳥屋神社(1/7)
  • 石巻市大島神社(1/7)
  • 石巻市祇園八坂神社(1/14)
  • 大崎市古川祇園八坂神社(1/14)
  • 角田市諏訪神社(1/14)
  • 角田市天神社(1/14)
  • 白石市神明社(1/14)
  • 蔵王町刈田嶺神社「暁参り」(1/14)
  • 栗原市瀬峰町瀬峰八幡神社(1/14)
  • 栗原市築館通大寺(1/14)
  • 加美郡色麻町伊達神社(1/14)
  • 登米市迫町佐沼津島神社(1/14)
  • 加美郡宮崎八幡神社「柳沢の焼け八幡」火伏祈願の祭り(1/11-12)
  • 登米市東和町若草神社(1/14)
  • 松島町高城紫神社(1/14)
  • 大崎市三本木八坂神社(1/14)
  • 大崎市古川新堀新堀八幡神社(1/14)
  • 遠田郡美里町山神社(1/14)
  • 大和町吉岡吉岡八幡神社(1/14)

東北地方以外の裸参り

  • 新潟県北蒲原郡安田八幡宮の裸参り(小正月祭)
  • 新潟県南魚沼市の浦佐毘沙門堂の裸押し合い(修正会 3/3)
  • 愛知県美浜町野間神社の裸参り(歳旦祭)
  • 静岡県伊東市新井神社の裸祭り(1/6・7)
  • 大阪四天王寺のどやどや (修正会 1月上旬)
  • 岡山市西大寺(修正会の裸祭り、2月第1土・日)
  • 広島県三原市久井町稲生神社の裸祭り(旧暦1月14日に近い土・日)
  • 福岡県大川市風浪宮「裸ん行」(2/8)

仙台裸参り

仙台裸参りは、藩政時代末期(1850年以降)より前には始められていたと考えられる。仙台の酒蔵酒造りには古くより南部杜氏(三大杜氏のひとつ)が大きくかかわってきた。岩手県において裸参りを継承してきた紫波町青年団によると、この南部杜氏が地元で裸参りを行っていた。この神事が杜氏として訪れた仙台の地で伝播され現在の仙台裸参りに至ったと言われている[要出典]。                               

また、仙台裸参りは全国で初めて大崎八幡宮が松焚祭(どんと祭)と裸参りを1月14日に行ったことから、広く県下に広まったとされる。そのため、宮城県下に限っては裸参りに実施日は1月14日に集中している。

出典

  1. ^ a b どんと祭の歴史と民俗. 大崎八幡宮. (平成28年6月1日) 
  2. ^ 大崎八幡宮の松焚祭と裸参り. 仙台市教育委員会. (平成18年12月) 
  3. ^ 河北新報社 (1897-2019). 河北新報. 

参考文献

  • 「大崎八幡宮年中行事」1800年頃以降 大崎八幡宮所蔵
  • 「仙臺年中行事絵巻」1850年(寛永3年)頃 『正月習俗の図』に描かれた「裸まうで」の絵図
  • 「郷土の伝承」第1輯(しゅう)に収録された「封内年中行事」1931年(昭和6年)
  • 「仙臺年中行事絵巻 附仙臺年中行事大意」1940年(昭和15年)仙臺昔話会発行
  • 「仙臺年中行事絵巻」所蔵/常盤雄五郎 解説/三好良吉(郷土史研究家)
    • 三好の解説文によると絵巻成立年代は「嘉永3年(1850年)頃」としている
  • 平山蘆江「天賞裸参り絵巻」1940年(昭和15年)
  • 『天賞酒造期限2600年記念アルバム』天賞酒造、1940年(昭和15年) 従業員等に配布
  • 菊地勝之助「仙台事物起原考」郵辨社、1964年(昭和39年)
  • 「会議所ニュース」(仙台の正月 幕末の正月行事)仙台商工会議所、1972年(昭和47年)
  • 佐々木久・竹内利美(監修)『ふるさとみやぎ文化百選 まつり』1984年(昭和59年)、宝文堂出版 
  • 『日本のまつり』造形社
  • 「八幡町とその周辺の民俗」仙台歴史民俗資料館
  • 『仙台郷土研究』復刊第19巻1号〈特集〉佐々久著作集、仙台郷土研究会出版、1994(平成6年)
  • 『宮城県の祭りと行事』<宮城県文化財調査報告書第82集>、宮城県教育委員会、2000年(平成12年) 
  • 『せんだいタウン情報』2003年(平成15年)1月号
  • 「どんと祭 裸参りの御案内」2004年(平成16年)- 大崎八幡宮のどんと祭のパンフレット
  • 中富洋「大崎八幡宮の松焚祭の祭礼的な特質について」東北学院大学民俗学OB会、2000年(平成12年)
  • 『りらく』2000年(平成12年)1月号
  • 『天賞酒造に係る文化財調査報告書』<仙台市文化財調査報告書第304集>、仙台市教育委員会、2006年(平成18年)
  • 『大崎八幡宮の松焚祭と裸参り』<仙台市文化財調査報告書第305集>、仙台市教育委員会、2006年(平成18年)
  • 「どんと祭の歴史と民俗」大崎八幡宮、2016年(平成28年)
  • 『machinavi PRESS仙台』2016年(平成28年)1月号、ハートアンドブレーン 

裸参り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 14:52 UTC 版)

どんと祭」の記事における「裸参り」の解説

詳細は「仙台裸参り」を参照 仙台藩内に来て日本酒の醸造をしていた南部杜氏が、醸造安全・吟醸祈願のために参拝したのが始まりとされる。 白鉢巻白さらしを巻き白足袋・わらじの装束に身を包み氷水水垢離をした後、神に息かけないためとして「含み紙」と呼ばれる紙を口にくわえたまま、右手には鐘を、左手提灯を持って徒歩参拝し御神火渡り、火にあたる。 低温の中での裸参りは健康を害する可能性があるため、参加団体では裸参り前に健康診断を行う例も見られるまた、女性1枚羽織ることが許されている。暖かい国から来た外国人留学生場合も、服装規定はゆるい。 例年100団体前後(計2500程度)が参加しており、地元企業有志などが団体100前後参加する。そのため当日夕方頃になると一番町中央通りなどの中心部商店街歩いている裸参りの列を多数目撃する。 本来は焚の後に行うものだが、現代では裸参りで神社向かい正月飾りを焼くことが多い。

※この「裸参り」の解説は、「どんと祭」の解説の一部です。
「裸参り」を含む「どんと祭」の記事については、「どんと祭」の概要を参照ください。

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